第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
理論 問6

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 理論 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

電圧E[V]の直流電源と静電容量C[F]の二つのコンデンサを接続した図1、図2のような二つの回路に関して、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 図1の回路のコンデンサの合成静電容量は、図2の回路の4倍である。
  • コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーは、図1の回路の方が図2の回路より大きい。
  • 図2の回路に、さらに静電容量C[F]のコンデンサを直列に二つ追加して、四つのコンデンサが直列になるようにすると、コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1と等しくなる。
  • 図2の回路の電源電圧を2倍にすると、コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1の回路と等しくなる。
  • 図1のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷は、図2のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷の2倍である。

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この過去問の解説 (1件)

01

コンデンサの直列接続と並列接続の比較に関する問題です。

選択肢1. 図1の回路のコンデンサの合成静電容量は、図2の回路の4倍である。

・図1(コンデンサの並列接続)の合成静電容量

 C01 = C + C = 2C [F]

・図2(コンデンサの直列接続)の合成静電容量

 C02 = C2/(C+C) = C2/2C = C/2[F]

したがって、並列接続の合成静電容量は直列の場合の4倍となります。

選択肢2. コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーは、図1の回路の方が図2の回路より大きい。

1つのコンデンサの静電エネルギーは W=1/2×CV2 で求めることができます。

コンデンサが複数のある場合は、これを合計したものが全体の静電エネルギーとなります。

・図1(並列接続)の場合の静電エネルギー

 W1 = (1/2×CE2) + (1/2×CE2)

  = CE2 [J]

・図2(直列接続)の場合の静電エネルギー

電圧がコンデンサ1つあたり1/2に分圧されていることに注意して表します。

 W2 = {(1/2)×C×(E/2)2} + {(1/2)×C×(E/2)2}

  = (CE2/8) + (CE2/8)

  = CE2/4 [J]

したがって、図1(並列接続)の方が蓄えられるエネルギーがより大きくなります。

選択肢3. 図2の回路に、さらに静電容量C[F]のコンデンサを直列に二つ追加して、四つのコンデンサが直列になるようにすると、コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1と等しくなる。

2つのコンデンサが直列接続されている場合の静電エネルギーと同様の計算をします。

追加される2つも直列に接続されるので

 W = {(1/2)×C×(E/4)2}+{(1/2)×C×(E/4)2}+{(1/2)×C×(E/4)2}+{(1/2)×C×(E/4)2}

  = (CE2/32)+(CE2/32)+(CE2/32)+(CE2/32)

  = (4/32)×CE2

  = CE2/8[J]

したがって、この接続方法では図1より小さくなり、等しくなることはありません

選択肢4. 図2の回路の電源電圧を2倍にすると、コンデンサ全体に蓄えられる電界のエネルギーが図1の回路と等しくなる。

図2のような直列接続で、図1と同じ静電エネルギーを得るためには、

分圧することを考慮して2倍の電圧が必要となります。

 W = {(1/2)×C×(2E/2)2} + {(1/2)×C×(2E/2)2}

  = (CE2/2) + (CE2/2)

  = CE2

選択肢5. 図1のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷は、図2のコンデンサ一つ当たりに蓄えられる電荷の2倍である。

・図1(並列接続)の場合の1つのコンデンサに蓄えられる電荷

 Q1 = CE

・図2(直列接続)の場合の1つのコンデンサに蓄えられる電荷

 Q = C×(E/2)

したがって、並列接続したコンデンサに蓄えられる電荷は、直列接続の2倍となります。

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