第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
理論 問7
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 理論 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
20℃における抵抗値がR1[Ω]、抵抗温度係数がα1[℃−1]の抵抗器Aと20℃における抵抗値がR2[Ω]、抵抗温度係数がα2=0℃−1の抵抗器Bが並列に接続されている。
その20℃と21℃における並列抵抗値をそれぞれr20[Ω]、r21[Ω]としたときの変化率(以下画像参照)として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
その20℃と21℃における並列抵抗値をそれぞれr20[Ω]、r21[Ω]としたときの変化率(以下画像参照)として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)
01
抵抗温度係数から抵抗値の変化率を求める計算問題です。
◆20℃における並列接続の抵抗値r20を求めます。
r20 = (R1R2) / (R1+R2)
◆21℃の時のR1の抵抗値R1'を求めます。
R1' = R1{1+α1(21−20)}
= R1(1+α1)
この式は20℃での抵抗値+(変化率×基準温度との温度差)を意味しています。
◆21℃における並列接続の抵抗値r21を求めます。
r21=(R1'R2) / (R1'+R2)
={R1(1+α1)×R2} / {R1(1+α1)+R2}
={R1R2(1+α1)} / {R1(1+α1)+R2}
◆変化率を求めます。
(r21 − r20) / r20
= {{R1R2(1+α1)}/{R1(1+α1)+R2} − (R1R2)/(R1+R2)} / {(R1R2) / (R1+R2)}
分母に分数が入れ子になっているので、逆数にして積算し、展開・整理します。
(r21 − r20) / r20
={{R1R2(1+α1)}/{R1(1+α1)+R2} − (R1R2)/(R1+R2)}×(R1+R2)/(R1R2)
={(R1+R2)(1+α1)}/{R1(1+α1)+R2} − 1
1項の分母「R1(1+α1)+R2」で通分します。
(r21 − r20) / r20
= {(R1+R2)(1+α1)} / {R1(1+α1)+R2} − 1
= {(R1+R2)(1+α1)} / {R1(1+α1)+R2} − {R1(1+α1)+R2}/{R1(1+α1)+R2}
= {R1+α1R1+R2+α1R2 − (R1+α1R1+R2)} / (R1+α1R1+R2)
= α1R2 / (R1+R2α1+R1)
(※最後の項の整理で、残る部分を青色、相殺される部分を赤色で示しています。)
この問題は、式の変形や展開・整理で間違いが起こりやすいので、
丁寧に計算するようにしましょう。
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02
温度が1℃変化した時の抵抗値の割合を表した抵抗温度係数αに関する問題となります。
抵抗の温度変化は以下の公式を用います。
・R2=R1{1+α1(t2-t1)}[Ω]‥①
まずは問題文を整理していき、抵抗器A、Bの抵抗温度係数を求めます。
【抵抗器A】
・r20=R1{1+α1(20-20)}=R1[Ω] (20℃における抵抗値)
・r21=R1{1+α1(21-20)}=R1+α1=R1(1+α1) [Ω](21℃における抵抗値)
【抵抗器B】
・r20=R2{1+α1(20-20)}=R2[Ω] (20℃における抵抗値)
・r21=R2{1+0(21-20)}=R2 [Ω](21℃における抵抗値)
次に問題文より、抵抗器A、Bは並列接続となるためr20、r21は以下となります。
・r20=R1×R2/R1+R2[Ω]
・r21=R1(1+α1)×R2/R1(1+α1)+R2
以上の式を持って、問題で与えられている変化率の式に代入します。
・r21-r20/r20
以上のようになります。
こちらが適切な解答となります。
この問題は抵抗温度係数を求めるというよりも、文字式の整理力を試されているような問題です。初見で解くとかなり時間を要しますので本番の試験では後回しにするのも一つの手だと思います。ただ電験に置いて文字式の整理は必須なので嫌がらずに訓練することをお薦めいたします。
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