第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
理論 問9

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 理論 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

図のようなRC交流回路がある。この回路に正弦波交流電圧E[V]を加えたとき、容量性リアクタンス6Ωのコンデンサの端子間電圧の大きさは12Vであった。このとき、E[V]と図の破線で囲んだ回路で消費される電力P[W]の値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • E:20[V]  P:32[W]
  • E:20[V]  P:96[W]
  • E:28[V]  P:120[W]
  • E:28[V]  P:168[W]
  • E:40[V]  P:309[W]

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この過去問の解説 (2件)

01

容量リアクタンスを含む交流回路の消費電力に関する計算問題です。

文字式を表すため、各抵抗と容量リアクタンスを以下のように仮称します。

 R1 = 8 [Ω]   R2 = 4 [Ω]

 XC1 = 6 [Ω]  XC2 = 3 [Ω]

 抵抗にかかる電圧:VR

 容量リアクタンスにかかる電圧:VC 

選択肢2. E:20[V]  P:96[W]

◆R1にかかる電圧VR[V]の電圧を求め、電源電圧E[V]を求めます

 VR = R1l = R1 × VC / XC1

  = 8 × 12 / 6 = 16[V]

電源電圧Eは、VRとVCと三角関数の関係にあるので

 E = √(VR2 + VC2)

  = √(162+122)

  = √400

  = 20 [V]

◆破線で囲まれた回路で消費された電力を求めます。

破線で囲まれた回路で消費される電力とは、有効電力のことを示しています。

有効電力は P = RI2 で求められますが、

電流値が分からないので P = V2 / R として利用します。

合計の有効電力を求めるにあたりR2にかかる電圧を求める必要がありますが、

並列に並んでいる R1:XC1 と R2:XC2 の比率が同じなので、

R2にかかる電圧も16[V]となります。

したがって、求める電力Pは

 P = (VR2/R1) + (VR2/R2)

  = (162/8) + (162/4)

  = (256/8) + (256/4)

  = 96 [W]

となります。

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02

RC交流並列回路の計算問題となります。

まずは電源E[V]から求めていきます。

問題図より容量性リアクタンス6Ωにかかるコンデンサの端子間電圧の大きさは12Vであるのでこちらにかかる電流をI1[A]とすると次のようになります。

・I1=12/6=2[A](オームの法則)

よって抵抗8[Ω]にかかる電流もI1=2[A]となるので抵抗Rにかかる端子間電圧は次のようになります。

・VR=I1R=2×8=16[V](オームの法則)

抵抗とコンデンサにかかる端子間電圧がわかったので電源E[V]を求める事ができます。

ここでこの回路は交流回路となるのでベクトル和を考慮しなければなりません。

抵抗の端子間電圧VRは0度(底辺)、コンデンサの端子間電圧Vは90度進み(高さ)となるのでこの2つのベクトルを結ぶと直角三角形となり電源Eは斜辺となるので以下の式が成り立ちます。

・E=√VR2+V2=√162+122=20[V]

電源Eは20[V]となります。

 

次にこの回路全体の消費電力P[W]を求めます。

まずは抵抗4Ωとコンデンサ3Ωに流れる電流I2[A]を求めます。この回路は並列回路なので電源E=20[V]がそのまま抵抗4Ωとコンデンサ3Ωにも流れるので、インピーダンスZを求めた上で電流I2を導けます。

・Z=√42+32=5[Ω]

・I2=E/Z=20/5=4[A]

 

続いて消費電力P=I2R[W]を用いて抵抗8Ωと抵抗4Ωの消費電量を求めます。

・P1=I12×R=22×8=32[W]

・P2=I22×R=42×4=64[W]

 

全体の消費電力なのでP1とP2を合計します。

・P=32+64=96[W]

以上のようになります。

 

選択肢2. E:20[V]  P:96[W]

こちらが適切な解答となります。

 

まとめ

交流回路の場合はベクトルを理解していないと解けないので、しっかりと学習される事をお薦め致します。

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