第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和4年度(2022年)下期
問19 (理論 問19)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 問19(理論 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

大きさが等しい二つの導体球A、Bがある。両導体球に電荷が蓄えられている場合、両導体球の間に働く力は、導体球に蓄えられている電荷の積に比例し、導体球間の距離の2乗に反比例する。次の問に答えよ。
ただし、両導体球の大きさは0.3mに比べて極めて小さいものとする。

この場合の比例定数を求める目的で、導体球Aに+2×10−8C、導体球Bに+3×10−8Cの電荷を与えて、導体球の中心間距離で0.3m隔てて両導体球を置いたところ、両導体球間に6×10−5Nの反発力が働いた。この結果から求められる比例定数[N・m2/C2]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、導体球A、Bの初期電荷は零とする。
  • 3×109
  • 6×109
  • 8×109
  • 9×109
  • 15×109

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

導体球間に加わる力を求める際に必要な比例定数を求める計算問題です。

選択肢4. 9×109

クーロンの法則の公式 F = k×(QAQB/r2) を変形し、比例定数kを求めます。

k = (F×r2)/(QAQB)

 = (6×10-5×0.32)/(2×10-8×3×10-8)

 = (0.54×10-5)/(6×10-16)

 = 0.09×1011 [N・m2/C2]

 = 9×109 [N・m2/C2]

参考になった数9

02

二つの電荷が蓄えられている導体球A、B間に働く力を求める公式から比例定数K[N・m2/C2]を求めていく問題となります。

まず導体球Aから導体球Bに働く静電力[N]は以下の公式で求める事ができます。

・F=QE[N]‥①

※Q:電荷[C]、E:電界の大きさ[V/m]

 

ここで上記①式をさらに詳しく見ていきます。

電界の大きさEは、単位面積あたりの電気力線の本数となり、点電荷は導体球となるため以下のような公式が成り立ちます。

・E=1/4πr2×N‥②

上記式のNは電気力線の本数となります。その電気力線を求める公式は以下となります。

・N=Q/ε[本]‥③

※ε:誘電率[F/m]

上記③式を②式に代入した形は以下となります。

・E=1/4πr2×Q/ε=Q/4πr2ε[V/m]‥④

 

さらに上記④式を用いて静電力F[N]を求める①式に代入します。

・F=Q×Q/4πr2ε=Q2/4πr2ε[N]‥⑤

以上のような式が成り立ちます。

ここで⑤式をさらに分解すると次のようになります。

・F=(1/4πε)×Q2/r2K×Q2/r2[N]‥⑥

よって比例定数Kは1/4πεとなります。

 

問題で与えられている条件を上記⑥式に代入して比例定数Kを求めます。

・F=6×10−5[N]、QA=+2×10−8[C]、QB=+3×10−8[C]、r=0.3[m]

 

・6×10−5=(2×10−8×3×10−8)K/0.32

上記式を変形すると次のようになります。

・K=(6×10−5×0.32)/(2×10−8×3×10−8)=0.09×10119×109

以上となります。

 

選択肢4. 9×109

こちらが適切な解答となります。

まとめ

公式を丸暗記するだけでなく、式が成り立つ過程を知ることで幅が広がり応用問題にも対応できるかと思います。

参考になった数1