第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
理論 問20

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 理論 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

大きさが等しい二つの導体球A、Bがある。両導体球に電荷が蓄えられている場合、両導体球の間に働く力は、導体球に蓄えられている電荷の積に比例し、導体球間の距離の2乗に反比例する。次の問に答えよ。
ただし、両導体球の大きさは0.3mに比べて極めて小さいものとする。

(前問) の導体球A、Bを、電荷を保持したままで0.3mの距離を隔てて固定した。ここで、導体球A、Bと大きさが等しく電荷を持たない導体球Cを用意し、導体球Cをまず導体球Aに接触させ、次に導体球Bに接触させた。この導体球Cを図のように導体球Aと導体球Bの間の直線上に置くとき、導体球Cが受ける力が釣り合う位置を導体球Aとの中心間距離[m]で表したとき、その距離に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (1件)

01

導体球間に加わる力が釣り合う位置を求める計算問題です。

選択肢4. 0.124

◆条件を整理します。

・電荷を持たない導体球を導体球Aに接触させます。

 この時の導体球Aの電荷QA'は合計電荷の半分の1×10-8[C]、

 同じく導体球Cの電荷QC'は1×10-8[C]

となります。

・その後、導体球Cを導体球Bに接触させます。

導体球Aに接触させた時と同様に、それぞれの電荷は合計電荷の半分となるので、

 導体球Bの電荷QB'は2×10-8[C]、

 導体球Cの電荷QC"は2×10-8[C]

となります。

◆クーロンの法則の公式を利用して釣り合う位置を求めます。

・導体球A−C間の距離をrとすると、クーロンの法則の公式より働く力FAC

  FAC = k × (QA'QC")/r2 …①

 となります。

・導体球C−B間の距離を 0.3−r とすると、働く力FCB

  FCB = k × (QB'QC")/(0.3−r)2 …②

 となります。

題意より、この2つの力が釣り合っている必要があり、

 FAC = FCB

となります。

これに①、②と分かっている値を代入します。

 FAC = FCB

 k × (QA'QC")/r2 = k × (QB'QC")/(0.3−r)2

 QA'/r2 = QB'/(0.3−r)2

 (1×10-8)/r2 = (2×10-8)/(0.3−r)2

 1/r2 = 2/(0.3−r)2

 2r2 = (0.3−r)2

 2r2 = r2 − 0.6r + 0.09

二次方程式の形に移項します。

 r2 + 0.6r − 0.09 = 0

これを二次方程式の解の公式で解き、rを求めます。

 r = {−0.6 ± √[0.62−(4×1×(−0.09))]} / (2×1)

  = {−0.6 ± √(0.36+0.36)} / 2

  = (−0.6 ± √0.72)/2

  = (−0.6 ± 0.848)/2

よって、

 r = 0.124、r = −0.724 の2つの解を得ることができます。

題意より、導体球Cは導体球A−B間で釣り合うことになるので、

正しい解は 0.124 [m] となります。

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