配電線路の電圧調整に関する問題です。問題文章の前半部は配電用変電所。後半部は高圧配電線路についての記述となります。
(ア)‥負荷時電圧調整器
・負荷変動に応じて変電所二次側母線電圧を調整しているとの文章からも負荷時電圧調整器という事が推測できます。また計器用変成器(VCT)は交流の高電圧・大電流を測定するため、電気機器の測定範囲拡大の為に使用される計器となり、電圧調整とは関係ありません。
(イ)‥タップ調整
・高圧配電線の電圧(6.6kV)を、低圧需要家の電圧(100/200V)に降圧する為の変圧器で電柱上に設置されている変圧器を柱上変圧器と呼びます。柱上変圧器には電圧切替タップと呼ばれる機能があり、高圧側の系統電圧を調整し変更することができます。柱上変圧器を取り替えるだけでは電圧の調整をすることはできません。
(ウ)‥ステップ式自動電圧調整器
・柱上変圧器のタップ切替えは手動で行い、尚且つ停電が必要となりますが、ステップ式自動電圧調整器を配電線路の途中に設置することで、無停電で自動的にタップ調整を行うことができます。電圧降下対策の一環として使用されます。
(エ)‥太線化
・電圧降下を軽減する対策として太線化が採用される理由は、ケーブルの断面積が増幅すると電気抵抗が少なくなり、より多くの許容電流が流せるからです。ケーブルの距離が長くなれば、抵抗が増幅するので、ケーブルを太線化し断面積を増やす必要があります。
選択肢1. ア:負荷時電圧調整器 イ:タップ調整 ウ:バランサ エ:細線化
選択肢2. ア:計器用変成器 イ:取替 ウ:ステップ式自動電圧調整器 エ:細線化
選択肢3. ア:負荷時電圧調整器 イ:タップ調整 ウ:ステップ式自動電圧調整器 エ:太線化
選択肢4. ア:計器用変成器 イ:タップ調整 ウ:ステップ式自動電圧調整器 エ:細線化
選択肢5. ア:負荷時電圧調整器 イ:取替 ウ:バランサ エ:太線化
まとめ
問題の選択肢の(ア)については問題文からも分かりやすく、(エ)についても電気の基本的なことなので理解しやすいと思いますが、(イ)(ウ)については知識として身につけていないと厳しいので、類題なども過去に出題されているので繰り返しの学習をお薦めいたします。また、消去法なども活用してくと正答率が上がると思います。