第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
電力 問18
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 電力 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
電線1線の抵抗が6Ω、誘導性リアクタンスが4Ωである三相3線式送電線について、次の問に答えよ。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
受電端に接続する負荷の条件を、遅れ力率60%、三相皮相電力65MV・Aに変更することになった。この場合でも、受電端電圧を60kV、送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10%に保ちたい。受電端に設置された調相設備から系統に供給すべき無効電力の値[Mvar]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
受電端に接続する負荷の条件を、遅れ力率60%、三相皮相電力65MV・Aに変更することになった。この場合でも、受電端電圧を60kV、送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10%に保ちたい。受電端に設置された調相設備から系統に供給すべき無効電力の値[Mvar]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 12
- 20.5
- 27
- 31.5
- 47.1
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この過去問の解説 (2件)
01
受電端に設置された調相設備から系統に供給する無効電力を与えられた条件から求める計算問題です。
問題より与えられている値と求める値は以下の通りです。
力率:cosθ = 60[%] = 0.6 (遅れ)
皮相電力:S = 65[MVA]
受電端電圧:Vr = 60[kV]
受電端電圧基準:ε = 10[%] = 0.1
電線1線の抵抗:R = 6[Ω]
誘導性リアクタンス:X = 4[Ω]
調相設備が供給する無効電力:QC[Mvar]
◆調相前の有効電力P[W]と無効電力Q'[var]を求めます。
P = Scosθ
= 65×106×0.6
= 39×106[W]
= 39[MW]
Q' = Ssinθ
= 65×106×0.8
= 52×106[var]
= 52[Mvar]
※sinθは、三角関数の関係から求めています。
sinθ = √(1 − cos2θ)
◆電圧降下vを電圧降下率の式 ε = v/Vrを変形して求めます。
v = εVr
= 0.1×60×103
= 6×103[V]
= 6[kV]
◆電圧降下vを表す式を変形して、調相後の無効電力Q[Mvar]を求めます。
v = √3I(Rcosθ + Xsinθ)
= √3I(Rcosθ + Xsinθ)×(Vr/Vr)
= (√3VrIcosθ×R + √3VrIsinθ×X)/Vr
= (PR+QX)/Vr
※Vr/Vrをかけることで、有効電力と無効電力を使った式に、変換できるようにしています。
v = (PR+QX)/VrをQを求める式に変形、値を代入して計算します。
vVr = PR + QX
QX = vVr − PR
Q = (vVr-PR)/X
= (6×103×60×103 − 39×106×6)/4
= 126×106/4
= 31.5×106[var]
= 31.5[Mvar]
◆調相設備の無効電力QC[Mvar]を求めます。
題意より調相後の無効電力QはQ = Q' − QCとなるので、
これより調相設備の無効電力QCは
QC = Q' − Q
= 52×106 − 31.5×106
= 20.5×106[var]
= 20.5[Mvar]
と、求めることができます。
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02
前問より力率の値と三相皮相電力が変更になった上で、電圧降下率をそのまま保つために必要な調相設備から系統に供給すべき無効電力の値[Mvar]を求める計算問題となります。
まずは遅れ力率60%時の無効電力の値を求めます。
・三相有効電力P=65×106×0.6=39×106[W]=39[M・W]
・三相無効電力Q=√S2-Q2=√6522-3922×102=52[M・Var]
次に電圧降下率10%時の電圧降下6[kV]の式を立てます。
・6×102[V]=√3I×(Rcosθ+Xsinθ)‥①
※.sinθ=√12-0.62=0.8
三相有効電力P=√3×Vr×Icosθの式を変形します。
・I[A]=P/√3×Vrcosθ‥②
②式を①式に代入します。
・6×103[V]=√3/(P÷√3×Vrcosθ)×(Rcosθ+Xsinθ)
=P/Vrcosθ×(Rcosθ+Xsinθ)
=P/Vr×(R+Xsinθ/cosθ)
=(PR+XsinθP/cosθ)/Vr
=(PR+Xsinθ・√3VrIcosθ/cosθ)/Vr ※P=√3VrIcosθ
=(PR+X・√3VrIsinθ)/Vr
=(PR+Q´・X)/Vr‥③ ※Q´=√3VrIsinθ
上記③式に数値を代入します。
・6×103[V]=(39×6×106+4Q´)/60×103‥④
上記④式を展開すると次のようになります。
・4Q´=(60×103×6×103)-234×106
Q´=126×106 /4
=31.5×106
=31.5[M・Var]
上記で求めた皮相電力は力率改善後の値になります。
最後に調相設備から系統に供給すべき無効電力の値を求めます。
・Q=(52-31.5)×106
Q=20.5×106
=20.5[M・Var]
以上のようになります。
解説の冒頭の数値と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の数値と一致するので適切です。
解説の冒頭の数値と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の数値と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の数値と一致しないので不適切です。
公式の変形を理解していれば、解答に要する時間を短縮できるのでぜひ、繰り返しの学習をして覚えるようになりましょう。
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