第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
機械 問10
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 機械 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
図に示す出力電圧波形vRを得ることができる電力変換回路として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、回路中の交流電源は正弦波交流電圧源とする。
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この過去問の解説 (2件)
01
パワーエレクトロ二クスの整流回路に関する問題となります。
交流回路に流れる電流の流れとそこから得られる出力電圧波形を理解できているかが、ポイントとなります。
まず問題文中の条件として「回路中の交流電源は正弦波交流電圧源とする。」となっている為、整流素子がない回路であれば通常の正弦波(サインカーブ)の波形となりますが、問題図を見ると正弦波の前方部が欠けているような形になっています。これは制御角αの影響による物でサイリスタの特徴と一致します。
サイリスタは順方向にしか電流は流せませんが、ターンオンによって電流を流すタイミングを決めることが出来る素子となります。
また問題図を見ると、0[V]より下のラインにも電圧が出力されている状況です。これは逆方向から電圧を与えた時でも出力できる回路ということになります。
以上の事を踏まえて各選択肢を見ていきます。
選択肢の図はダイオードを利用した単相半波整流回路となります。ダイオードは順方向にしか電流を流す事ができず、電圧を与えた時点で導通状態となり、波形としては正弦波が現れます。
さらにダイオードに逆方向から電圧を与えても電流は流れません。なので0[V]より下のラインに正弦波は現れませんので回路図は不適切です。
選択肢の図はサイリスタを利用した単相半波整流回路となります。波形としてはターンオンの影響もあるので、前方が欠けた様な波形となりますが、この回路図のサイリスタは1台のみなので逆方向からの電流で電圧を出力する事はできません。なので0[V]より下のラインに波形は現れないので不適切です。
選択肢の図はサイリスタ2台が並列接続となっており、向きも逆となっております。
これは順方向からの電流と逆方向からの電流、どちらからも出力できる回路となります。
なので波形としては0[V]より下のラインにも波形が現れますのでこの回路が適切となります。
選択肢の図はダイオードを利用した単相全波整流回路となります。ダイオードが4つあり、順方向や逆方向からも電流は流れます。(但し、流れる経路は異なります。)
波形としては正弦波となりますが、0[V]より下のラインには波形は現れません。なのでこの回路図は不適切です。
選択肢の図はサイリスタを利用した単相全波整流回路となります。サイリスタが4つあり、順方向や逆方向からも電流は流れます。(但し、流れる経路は異なります。)
波形としては前方が欠けた様な波形となりますが、サイリスタの向きがすべて同じ方向なので0[V]より下のラインには波形は現れません。なのでこの回路図は不適切です。
近年機械科目では、パワーエレクトロ二クスに関する問題のウェイトが上がってきているので、なかなかスルーしがちですが、しっかりと学習される事をお薦めいたします。この問題は基本的なことが詰まっているような問題なので繰り返しの学習に最適です。
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02
出力電圧波形から正しい電力変換回路を選択する問題です。
この問題の選択肢に出てくる素子は、ダイオードとサイリスタです。
ダイオードとは、電流を一方向に流す素子です。
サイリスタとは、電流を一方向に流すことに加えて、ゲートに流れる電流のタイミングを変換させ、出力を制御する素子です。
サイリスタの波形の特長は、ある一定のタイミングで直線的に立ち上がるというものがあります。
この説明を踏まえて、各選択肢の出力波形を考えていきます。
ダイオードを利用した回路です。
この回路では一方向のみの整流となるため、半波整流波形が出力されます。
サイリスタを利用した回路です。
この回路では、サイリスタの波形の特長を持った半波整流波形が出力されます。
サイリスタを2つ使用した回路です。
交流電源の正負の双方向に対応しており、問題にある波形を出力することができます。
よって、この選択肢が正解となります。
ダイオードを4つ利用した回路です。
この回路では、交流電源の正負に関わらず正の方向のみになるよう整流されます。
よって、この回路から出力される波形は全波整流波形となります。
サイリスタを4つ利用した回路です。
この回路では、交流電源の正負に関わらず正の方向のみになるよう整流されます。
よって、この回路から出力される波形は全波整流波形となります。
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