第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
法規 問13

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 法規 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

定格容量500kV・A、無負荷損500W、負荷損(定格電流通電時)6700Wの変圧器を更新する。更新後の変圧器はトップランナー制度に適合した変圧器で、変圧器の容量、電圧及び周波数仕様は従来器と同じであるが、無負荷損は150W、省エネ基準達成率は140%である。
このとき、次の問に答えよ。

ただし、省エネ基準達成率は下記の式で与えられるものとする。
ここで、基準エネルギー消費効率注)は1250Wとし、Wiは無負荷損[W]、WC40は負荷率 40 %時の負荷損[W]とする。
 注)基準エネルギー消費効率とは判断の基準となる全損失をいう。

更新後の変圧器の負荷損(定格電流通電時)の値[W]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

変圧器の更新後の定格電流通電時の負荷損を求める計算問題です。

計算に必要な値や量記号は以下の通りです。

 新変圧器の定格容量:P' = 500 [kVA]

 新変圧器の無負荷損:Wi' = 150 [W]

 新変圧器の負荷損:Wcn' [W]

 新変圧器の負荷40%の時の負荷損:Wc40 [W]

 基準エネルギー消費効率:1250 [W]

 省エネ基準達成率:140 [%]

 負荷の使用率:n [%]

選択肢5. 4640

◆新変圧器の負荷40%の時の負荷損を求めます。

負荷損は負荷の電力(負荷電流)の2乗に比例するので、

負荷率40%時の負荷損は

 Wc40 = n2 × Wcn'

  = 0.42 × Wcn'

  = 0.16 × Wcn' ……①

◆①を問題で与えられた公式に代入し、全負荷時の負荷損を求めます。

省エネ基準達成率 = {基準エネルギー消費効率/(Wi' + 0.16Wcn')} × 100

 140 = {1250/(150 + 0.16Wcn')} × 100

 140 = (1250 × 100)/(150 + 0.16Wcn')

 150 + 0.16Wcn' = (1250 × 100)/140

 0.16Wcn' = {(1250 × 100)/140} − 150

 0.16Wcn' ≒ 892.9 − 150

 Wcn' = (892.9 − 150)/0.16

   ≒ 4643 [ W]

   ≒ 4640 [W]

となります。

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02

まず更新後の変圧器の負荷損を求めるにあたって、

与えられている省エネ基準達成率の式に数値を当てはめます。

・140(%) =(1250/150+WC40)×100‥①

上記①式の分子である基準エネルギー消費効率は注釈にありますように、

基準エネルギー消費効率とは判断の基準となる全損失をいうとある為

1250Wとなります。

次に①式を展開してWC40を求めていきます。

・140/100=1250/150+WC40

・1.4=1250/150+WC40 

・1.4(150+WC40)=1250

・1.4WC40=1250-210

・WC40=1040/1.4=742.9‥②

最後に負荷率を2乗した値を②式にかけてあげれば負荷損を求める事ができます。

・(100/40)2×742.9=4643.13≒4640[W]

選択肢5. 4640

解説の冒頭の数値と一致するので適切です。

まとめ

変圧器の損失に関する計算問題は頻繁に出題されていますが、その中でも消費効率=全損失という概念はほとんどありませんのでかなり特殊な問題と言えます。計算自体はそこまで複雑ではありませんが問題文を読んで惑わされないようによく読んで理解を深めていきましょう。

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