第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問23 (電力 問1)
問題文
次の文章は、水力発電の理論式に関する記述である。
図に示すように、放水地点の水面を基準面とすれば、基準面から貯水池の静水面までの高さHg[m]を一般に( ア )という。また、水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さhl[m]を( イ )という。さらに、Hgとhlの差H=Hg-hlを一般に( ウ )という。
今、Q[m3/s]の水が水車に流れ込み、水車の効率をηwとすれば、水車出力Pwは( エ )になる。さらに、発電機の効率をηgとすれば、発電機出力Pは( オ )になる。ただし、重力加速度は9.8m/s2とする。
図に示すように、放水地点の水面を基準面とすれば、基準面から貯水池の静水面までの高さHg[m]を一般に( ア )という。また、水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さhl[m]を( イ )という。さらに、Hgとhlの差H=Hg-hlを一般に( ウ )という。
今、Q[m3/s]の水が水車に流れ込み、水車の効率をηwとすれば、水車出力Pwは( エ )になる。さらに、発電機の効率をηgとすれば、発電機出力Pは( オ )になる。ただし、重力加速度は9.8m/s2とする。

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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問23(電力 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、水力発電の理論式に関する記述である。
図に示すように、放水地点の水面を基準面とすれば、基準面から貯水池の静水面までの高さHg[m]を一般に( ア )という。また、水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さhl[m]を( イ )という。さらに、Hgとhlの差H=Hg-hlを一般に( ウ )という。
今、Q[m3/s]の水が水車に流れ込み、水車の効率をηwとすれば、水車出力Pwは( エ )になる。さらに、発電機の効率をηgとすれば、発電機出力Pは( オ )になる。ただし、重力加速度は9.8m/s2とする。
図に示すように、放水地点の水面を基準面とすれば、基準面から貯水池の静水面までの高さHg[m]を一般に( ア )という。また、水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さhl[m]を( イ )という。さらに、Hgとhlの差H=Hg-hlを一般に( ウ )という。
今、Q[m3/s]の水が水車に流れ込み、水車の効率をηwとすれば、水車出力Pwは( エ )になる。さらに、発電機の効率をηgとすれば、発電機出力Pは( オ )になる。ただし、重力加速度は9.8m/s2とする。

- ア:総落差 イ:損失水頭 ウ:実効落差 エ:9.8QHηw×103[W] オ:9.8QHηwηg×103[W]
-
- ア:総落差 イ:損失水頭 ウ:有効落差 エ:9.8QHηw×103[W] オ:9.8QHηwηg×103[W]
- ア:基準落差 イ:圧力水頭 ウ:実効落差 エ:9.8QHηw[kW] オ:9.8QHηwηg[kW]
- ア:基準落差 イ:速度水頭 ウ:有効落差 エ:9.8QHηw[kW] オ:9.8QHηwηg[kW]
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この過去問の解説 (2件)
01
水力発電の落差と理論式に関する穴埋め問題です。
(ア)総落差 (イ)損失水頭 (ウ)有効落差
それぞれの言葉が示す部分は、下図の通りです。
(エ)と(オ)は、それぞれの場所での出力を求める理論式を導出する内容になっています。
水車と発電機の効率を無視した出力の基本式は、
P=gQH
=9.8QH[kW]
となります。
これを踏まえて、(エ)と(オ)の式を導出していきます。
(エ)9.8QHηw✕103[W]
ここでは水車出力の理論式を導出します。
水車効率をηwとして与えられているので、基本式に水車効率を掛けることで水車出力を求めることができます。
Pw=9.8QHηw[kW]
=9.8QHηw✕103[W]
(オ)9.8QHηwηg✕103[W]
ここでは発電機出力の理論式を導出します。
発電機効率をηgとして与えられているので、(エ)の式に発電機効率を掛けることで発電機出力を求めることができます。
Pg=9.8QHηwηg[kW]
=9.8QHηwηg✕103[W]
発電機出力の式に水車効率が含まれているのは、発電機入力が水車出力であるためです。
(エ)と(オ)の式の導出では、基本式と選択肢にある単位が違うことに注意をしましょう。
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02
この問題を解くポイントは、水力発電のエネルギー変換と効率の考え方です。
それでは問題を見ていきましょう。
水力発電では、水の位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、
そのエネルギーを利用して発電機を回すことで電気が得られます。
問題では、基準面から貯水池の静水面までの高さを総落差Hg、水路や圧管内の摩擦損失に相当する高さを損失水頭hL、タービンに供給される有効な水頭を有効落差Hとしています。
この関係は、次の式で表せます。
H=Hg−hL
また、発電機でのエネルギー変換では、水車の効率ηwや発電機の効率ηgを考慮する必要があります。
水車の出力Pwは、理論的には水の位置エネルギーがそのまま運動エネルギーに変換されると仮定した場合、
以下の式で求められます。
Pw=1000×g×Q×H
ここで、
g=9.8m/s²(重力加速度)
Q(流量:m³/s)
H(有効落差:m)
この値をkW単位で表すため、次のように変換します。
Pw=9.8×Q×H×103
しかし、実際には水車には損失があり、効率ηwを考慮すると、水車の実際の出力は次のようになります。
Pw=9.8×Q×H×ηw×103
さらに、発電機の出力Pを求めるには、発電機の効率ηgを考慮し、以下の式になります。
P=9.8×Q×H×ηw×ηg×103
水力発電では、エネルギーの流れを理解し、効率を考慮することが重要です。
水の持つエネルギーがどこで損失し、最終的にどの程度の電力が得られるかを式から理解しましょう。
一言知識
水力発電の発電効率は80〜90%と非常に高く、他の発電方式と比べてエネルギーロスが少ないです。
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