第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問24 (電力 問2)
問題文
定格出力1000MW、速度調定率5%のタービン発電機と、定格出力300MW、速度調定率3%の水車発電機が電力系統に接続され、前者は80%出力、後者は60%出力にて定格周波数(50Hz)でガバナフリー運転を行っている。
負荷が急変して、系統周波数が0.2Hz低下したとき、タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし、次式で表される速度調定率に従うものとする。
また、この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2台のみとする。
負荷が急変して、系統周波数が0.2Hz低下したとき、タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし、次式で表される速度調定率に従うものとする。
また、この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2台のみとする。

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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問24(電力 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
定格出力1000MW、速度調定率5%のタービン発電機と、定格出力300MW、速度調定率3%の水車発電機が電力系統に接続され、前者は80%出力、後者は60%出力にて定格周波数(50Hz)でガバナフリー運転を行っている。
負荷が急変して、系統周波数が0.2Hz低下したとき、タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし、次式で表される速度調定率に従うものとする。
また、この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2台のみとする。
負荷が急変して、系統周波数が0.2Hz低下したとき、タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし、次式で表される速度調定率に従うものとする。
また、この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2台のみとする。

- タービン発電機:720MW 水車発電機:140MW
- タービン発電機:733MW 水車発電機:147MW
- タービン発電機:867MW 水車発電機:213MW
- タービン発電機:880MW 水車発電機:220MW
- タービン発電機:933MW 水車発電機:204MW
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題を解くポイントは、速度調定率の公式を正しく適用することです。
それでは問題を見ていきましょう。
この問題では、速度調定率の公式を用いて、負荷が変化した際のタービン発電機と水車発電機の出力を求めます。
問題文には「系統周波数が0.2Hz低下」とあるため、回転速度の低下割合を考慮します。
回転速度と周波数は比例関係にあるため、
(回転速度の比)=(周波数の比) と考えます。
1.タービン発電機の定格出力は Pₙ=1000MW、
初期出力は P₁=1000×0.80=800MW です。
また、速度調定率は5%=0.05なので、
速度調定率の式に代入します。
(速度調定率)タービン発電機
(50−0.2−50)÷50=(1000×0.80−P₂)÷1000×100
計算を進めると、 5÷100=−4÷(800−P₂)
P₂=880MW
水車発電機の定格出力は Pₙ=300MW、
初期出力は P₁=300×0.60=180MWです。
また、速度調定率は 3%=0.03なので、
同じように計算を進めます。
(速度調定率)水車発電機
(50−0.2−50)÷50=(300×0.60−P₂')÷300×100
計算を進めると、 3÷100=−1.2÷(180−P₂')
P₂'=220MW
正解はタービン発電機:880MW、水車発電機:220MWとなります。
・速度調定率の公式を用いて、負荷変動時の出力を計算しました。
・タービン発電機と水車発電機の速度調定率が異なるため、それぞれ個別に計算が必要です。
・周波数と回転速度は比例関係にあるため、周波数の変化をそのまま回転速度の変化として適用できます。
一言知識「ガバナフリー運転とは?」
発電機の回転速度を一定に保つため、負荷変動に応じて発電出力を自動調整する運転方式です。
特に周波数制御の観点で重要な役割を果たします。
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02
速度調定率が異なる発電機の負荷変化時における出力の変化を計算し、正しい組み合わせを選択する問題です。
計算に必要な値と量記号は以下の通りです。
◆タービン発電機
定格出力Pn:1000[MW]
速度調定率:5[%]
初期出力(80%で出力)P1:Pn✕0.8=1000✕0.8=800[MW]
◆水車発電機
定格出力Pn:300[MW]
速度調定率:3[%]
初期出力(60%で出力)P1:Pn✕0.6=300✕0.6=180[MW]
◆共通している値
定格周波数fn:50[Hz]
系統周波数の変化量Δf:0.2[Hz]低下→−0.2[Hz]
計算をする前に、問題文で与えられている速度調定率の公式を変形しておきます。
問題文では速度調定率の分子部分を回転数として与えられていますが、この問題には回転数が記載されていません。
そこで、回転数と周波数は比例関係にあるという関係を利用して、以下の式に置き換えておきます。
また、(f2−f1)は周波数の変化量を表しているのでΔfとします。
速度調定率={(Δf/fn)/((P1−P2)/Pn)}✕100 …①
◆タービン発電機の系統周波数変化後の出力を求めます
①に値を代入して求めます。
速度調定率={(Δf/fn)/((P1−P2)/Pn)}✕100
5={(-0.2/50)/((800−P2)/1000)}✕100
5={(-0.2✕20)/(800−P2)}✕100 ※右辺の分母分子に1000を掛ける
5={(0.2✕20)/(P2−800)}✕100 ※右辺の分母分子に−1を掛ける
5=400/(P2−800)
(P2−800)=400/5
P2=80+800
=880[MW]
◆水車発電機の系統周波数変化後の出力を求めます
①に値を代入して求めます。
速度調定率={(Δf/fn)/((P1−P2)/Pn)}✕100
3={(-0.2/50)/((180−P2)/300)}✕100
3={(-0.2✕6)/(180−P2)}✕100 ※右辺の分母分子に300を掛ける
3={(0.2✕6)/(P2−180)}✕100 ※右辺の分母分子に−1を掛ける
3=120/(P2−180)
(P2−180)=120/3
P2=40+180
=220[MW]
したがって、
タービン発電機出力:880[MW]
水車発電機出力:220[MW]
の組み合わせが正しい組み合わせとなります。
式移行で間違いが起こりやすい問題です。
手間ではありますが、1つずつ確実に進めることが一番の近道になります。
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