第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)下期
電力 問13

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 電力 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

単相2線式及び単相3線式の線路での電力損失について、次の問に答えよ。

下図のように、単相100Vの抵抗負荷に単相2線式及び単相3線式の低圧配電方式で送電する。負荷の総容量は同一であり、3線式の場合、負荷は図のように線間に均等分割されるものとする。単相2線式での線路の抵抗損を1とすると、単相3線式の線路の抵抗損は1/5であった。このとき、単相2線式での線路の1線当たりの抵抗に対して、単相3線式での線路の1線当たりの抵抗はどのような大きさとなるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (1件)

01

単相3線式の線路で発生する抵抗損が、

単相2線式の線路で発生する抵抗線の何倍であるかを求める問題です。

この問題に必要な量記号や値は以下の通り。

単相2線式の線路に流れる電流:I2[A]
単相2線式の線路での抵抗損:r2[Ω]
単相2線式の線路での損失:PL2[W]
単相3線式の線路に流れる電流:I3[A]
単相3線式の線路での抵抗損:r3[Ω]
単相3線式の線路での損失:PL3[W]

単相100Vの電圧:V[V]

単相2線式と単相3線式の抵抗損の比率は、

問題文より単相2線式が1、単相3線式が1/5となっています。

 

また、抵抗損や電流、電圧を追記した回路図は以下のようになります。

 

 

選択肢4. 0.8倍

◆単相2線式の線路での損失の式を導出します。

 

抵抗損を考慮しない状態での電流は

 

I2=PL/V[A] ……①

 

となります。

 

次に、抵抗損を考慮した損失は

 

PL2=I22×2r2[W] ……②

 

ここで、②に①を代入して整理します。

 

PL2=2(PL/V)2×r2[W] ……③

 

◆単相3線式の線路での損失の式を導出します

求め方は単相2線式の時と同様です。

ここで注意が必要なのが単相3線式の真ん中の線路と電圧です。

 

問題文には「負荷は均等分割される」とあるので、真ん中の線路には電流は流れません

 

また、単相3線式の上下の線の間の電圧は図より2V[V]となることに十分に注意してください。

従って、単相3線式の損失は以下のようになります。

 

I3=PL/2V[A]

 

PL3=I32×2r3[W]

=2×(PL/2V)2×r3

2×(1/4)×(PL/V)2×r3

=(1/2)×(PL/V)2×r3[W] ……④

 

◆③と④の式、単相2線式と単相3線式の抵抗損の比率から、

単相3線式の抵抗損が単相2線式の比率の何倍になるかを求めます

 

PL2:PL3=1:5

2(PL/V)2×r2:(1/2)×(PL/V)2×r3=1:1/5

(1/2)(PL/V)2×r3=(2/5)×(PL/V)2×r2

(1/2)(PL/V)2×r3=(2/5)×(PL/V)2×r2

(1/2)×r3=(2/5)×r2

r3=(4/5)×r2

=0.8r2

 

従って、単相3線式の線路における抵抗損は単相2線式の線路における抵抗損の0.8倍となります。

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