第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問36 (電力 問14)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問36(電力 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

電線の導体に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
  • 地中ケーブルの銅導体には、伸びや可とう性に優れる軟銅線が用いられる。
  • 電線の導電材料としての金属には、資源量の多さや導電率の高さが求められる。
  • 鋼心アルミより線は、鋼より線の周囲にアルミ線をより合わせたもので、軽量で大きな外径や高い引張強度を得ることができる。
  • 電気用アルミニウムの導電率は銅よりも低いが、電気抵抗と長さが同じ電線の場合、アルミニウム線の方が銅線より軽い。
  • 硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく、電線の導体として使われることはない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、電線の導体に関する記述の中から誤っているものを選択する問題です。

選択肢1. 地中ケーブルの銅導体には、伸びや可とう性に優れる軟銅線が用いられる。

問題文の通りです。

選択肢2. 電線の導電材料としての金属には、資源量の多さや導電率の高さが求められる。

問題文の通りです。

選択肢3. 鋼心アルミより線は、鋼より線の周囲にアルミ線をより合わせたもので、軽量で大きな外径や高い引張強度を得ることができる。

問題文の通りです。

選択肢4. 電気用アルミニウムの導電率は銅よりも低いが、電気抵抗と長さが同じ電線の場合、アルミニウム線の方が銅線より軽い。

問題文の通りです。

選択肢5. 硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく、電線の導体として使われることはない。

硬銅線は、硬くて導電性が高い特性から、架空送電線に使用されることがあります。

従って、この選択肢が誤りとなります。

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02

この問題を解くポイントは、電線の導体としての性質と用途を正しく理解することです。

電線に使用される導体材料として、硬銅線・軟銅線・アルミニウム線などがあります。

それぞれの特徴を理解し、どの選択肢が誤りであるかを見極めることが重要です。

それでは問題を見ていきましょう。

選択肢1. 地中ケーブルの銅導体には、伸びや可とう性に優れる軟銅線が用いられる。

正しい記述です。
地中ケーブルは埋設されるため、曲げや可とう性が求められます。

そのため、加工しやすい軟銅線が使用されます。

選択肢2. 電線の導電材料としての金属には、資源量の多さや導電率の高さが求められる。

正しい記述です。
電線には、導電率が高く、資源量が豊富で、適切な機械的特性を持つ金属が使用されます。

一般的に、銅やアルミニウムが電線の導体材料として用いられます。

選択肢3. 鋼心アルミより線は、鋼より線の周囲にアルミ線をより合わせたもので、軽量で大きな外径や高い引張強度を得ることができる。

正しい記述です。
銅心アルミ線は、中心に銅導体を配置し、その周りにアルミニウム線を巻きつけた構造です。

軽量化を図りつつ、適切な引張強度を確保する目的で使用されます。

選択肢4. 電気用アルミニウムの導電率は銅よりも低いが、電気抵抗と長さが同じ電線の場合、アルミニウム線の方が銅線より軽い。

正しい記述です。
アルミニウムの導電率は銅の約2/3ですが、比重は銅の約1/3と軽いため、同じ電気抵抗で設計した場合、

アルミニウム線の方が軽くなります。

選択肢5. 硬銅線は軟銅線と比較して曲げにくく、電線の導体として使われることはない。

誤った記述です。
硬銅線は軟銅線よりも曲げにくいですが、架空送電線や電車の架線など、強度が求められる場面で広く使用されています。

「硬い=使われない」という記述は誤りです。

まとめ

電線の導体としては、銅やアルミニウムが一般的に使用されます。

軟銅線は加工しやすく、硬銅線は強度に優れるなど、用途によって使い分けられます。

一言知識

電線に使用される銅には、無酸素銅(OFC)とタフピッチ銅(TPC)があります。

無酸素銅は高純度で高い導電率を持ち、音響機器などにも使われています。

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