第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問37 (電力 問15(a))

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問37(電力 問15(a)) (訂正依頼・報告はこちら)

ある需要端の負荷に対し、水力発電所1か所と重油専焼汽力発電所1か所によって電力を供給する場合において、次の問に答えよ。

水力発電所の最大使用水量20m3/s、総落差200m、損失水頭7m、水車と発電機の総合効率85%、年間の設備利用率60%としたとき、この発電所の年間発電電力量[GW・h]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
  • 15
  • 30
  • 170
  • 175
  • 200

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、水力発電所の発電電力量に関する問題です。

 

問題を解くにあたり必要な量記号や値は以下の通り。

 

最大使用水量Q:20[m3/s]

有効落差H:総落差−損失水頭=200−7=193[m]

水車発電機の総合効率η:85%=0.85

年間設備利用率α:60%=0.60

水力発電所の発電量:PW[kW]

年間設備利用率を考慮した年間発電電力量:WW[GW·h]

選択肢3. 170

◆水力発電所の発電電力量を求めます

水力発電の発電量を求める公式から

PW=9.8QHη

=9.8✕20✕193✕0.85

≒32150[kW·h]

 

◆年間設備利用率を考慮した発電量を求めます

WW=PW✕24✕365✕α

=32150✕24✕365✕0.6

≒169[GW·h]

 

※PWは1時間あたりの発電量なので、24時間と365日をかけることで

年間の発電量を求めています。

 

従って、最も近い選択肢は170[GW·h]となります。

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02

この問題を解くポイントは、水力発電の出力計算と年間発電電力量の求め方です。

それでは問題を見ていきましょう。

 

選択肢3. 170

1. 発電出力の計算をします。

水力発電の発電出力P[kW]は、次の式で求めることができます。

P = ρ×g×Q×H×ηT×ηG … (1)

・P:発電出力[kW]

・ρ:水の密度(=1000kg/m³)

・g:重力加速度(=9.8m/s²)

・Q:使用水量[m³/s]

・H:有効落差[m] (総落差-損失水頭)

・ηT:水車効率

・ηG:発電機効率

問題文より、

・Q = 20m³/s

・H = 200m - 7m = 193m

・ηT×ηG = 85% = 0.85

これを(1)式に代入して計算すると、

P = 1000 × 9.8 × 20 × 193 × 0.85
= 32153.8[kW] となります。

 

2. 年間発電電力量の計算をします。

年間発電電力量E[kW・h]は、次の式で求めます。

E = P × u × T … (2)

・E:年間発電電力量[kW・h]

・u:年間設備利用率(=60% = 0.6)

・T:年間の総時間(=365日×24時間 = 8760時間)

(1)式の結果P= 32153.8kW を(2)式に代入すると、

E = 32153.8 × 0.6 × 8760
= 169000372.8[kW・h]
= 169000[MWh]
= 169.0[GW・h]

正解は170GW・hです。

まとめ

・水力発電の発電出力はP = 32153.8kWと求まります。

・年間発電電力量E = 169.0GW・hとなります。

一言知識

「水力発電の有効落差とは?」
水力発電では、ダムや水路で得られる水の高さ(総落差)から、パイプやタービンの摩擦などによる損失分を引いたものを

「有効落差」といいます。

この値が大きいほど発電効率が高くなります。

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