第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)下期
機械 問11

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 機械 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

電動機ではずみ車を加速して、運動エネルギーを蓄えることを考える。

まず、加速するための電動機のトルクを考える。加速途中の電動機の回転速度をN[min-1]とすると、そのときの毎秒の回転速度n[s-1]は①式で表される。
( ア )····· ①
この回転速度n[s-1]から②式で角速度ω[rad/s]を求めることができる。
( イ )····· ②
このときの電動機が1秒間にする仕事、すなわち出力をP[W]とすると、トルクT[N・m]は③式となる。
( ウ )····· ③
③式のトルクによってはずみ車を加速する。電動機が出力し続けて加速している間、この分のエネルギーがはずみ車に注入される。電動機に直結するはずみ車の慣性モーメントをI[kg・m2]として、加速が完了したときの電動機の角速度をω0[rad/s]とすると、このはずみ車に蓄えられている運動エネルギーE[J]は④式となる。
( エ )····· ④

上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、はずみ車に蓄えられる運動エネルギーに関する計算問題です。

選択肢5. 解答選択肢の画像

(ア)

N[min-1]は1分あたりの回転速度で、n[s-1]は1秒あたりの回転速度です。

従って、N[min-1]の1/60が1秒あたりの回転速度となります。

従って、

n=N/60

となります。

 

(イ)

1回転あたりの角速度はω=2πnで、nに(ア)を代入すると

ω=2πN/60

となります。

 

(ウ)

出力PとトルクTの関係は、P=ωTで表すことができます。

これを変形して、

T=P/ω

となります。

 

(エ)

運動エネルギーの一般式はW=(1/2)mv2となっています。

速度vは、回転体半径をr、角速度をωとすると、

v=rωで表すことができます。

 

これを一般式に代入すると、

W=(1/2)m(rω)2

=(1/2)mr2ω2

 

慣性モーメントIは、I=mr2※で表すことができるので、

W=(1/2)Iω2

となり、問題文から角速度はω0と与えられているので、

W=(1/2)Iω02

となります。

 

※単位に注目するのがポイントです!

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02

電動機応用のはずみ車に関する問題となります。

各空白箇所は次のようになります。

 

( ア )‥N/60

・問題文中に毎秒の回転速度とあるので、「回転速度÷60秒」で求める事ができるので、N/60となります。

 

( イ )‥ω=2π×n

・1回転あたりの回転角は2πradであるので、ω[rad・s-1]=2π×nで求める事ができます。

 

( ウ )‥T=P/ω

・電動機の出力を求める公式P=ωTより、トルクについて求めるとT=P/ωとなります。

 

( エ )‥E=1/2Iω02

・上記式のIは慣性モーメント[㎏/㎡]となり、I=mr2[㎏/㎡](m:質量[㎏]、r:半径[m])となります。

はずみ車に蓄えられる運動エネルギーはE=1/2mv2[J]であり、周速度v[m/s]は次のように表せます。

・周速度v=2πr×n[m/s](周速度:2πr[m])

上記式を【2πn】でくくると、ωとなり周速度はv=ωr[m/s]とも表せます。さらにこの周速度vをE=1/2mv2[J]に代入して展開すると次のようになります。

・E=1/2m×(ωr)2=1/2×mr2×ω2[J]

上記式の【mr2】は慣性モーメントI[㎏/㎡]となるので、運動エネルギーE[J]はつぎのようになります。

E=1/2Iω02

以上のような組み合わせとなります。

 

 

選択肢5. 解答選択肢の画像

こちらが適切な解答となります。

まとめ

どちらかと言えば物理の問題に近いですが、頻出している項目でもあるので公式などは暗記しておくと試験時に優位に働きます。また、暗記だけでなく自分で公式を導けたり本質を理解できれば尚の事ベストです。

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