第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)下期
機械 問13

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 機械 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

図に示すようなフィードバック制御系がある。閉ループ周波数伝達関数
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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、フィードバック制御系のボード線図に関する計算問題です。

選択肢4. 解答選択肢の画像

◆フィードバック周波数伝達関数の式を求めます

W(jω)=C(jω)/R(jω)

=(K/jωT)/(1+K/jωT)

=(K/jωT)/(K+jωT/jωT)

=K/(K+jωT) 

=1/(1+jωT/K)……①

 

◆①をゲイン特性の公式に代入して、ゲインの式を求めます

g=20log10∣W(jω)∣

=20log10∣1/(1+jωT/K)2

=20log101/√{12+(ω✕T/K)2}

=20log10√{1+(ω✕T/K)2}−1

=−20log10√{1+(ω✕T/K)2}……②

 

◆②を使ってω✕T/Kが十分に小さい場合のゲインを求めます

ω✕T/Kが十分に小さい場合は、ω✕T/Kの項はほぼ0になるので無視できます。

従って、

g=−20log10√{1+(ω✕T/K)2}

=−20log10√1

=−20log101

=0[dB]

 

となります。

 

◆②を使ってω✕T/Kが十分に大きい場合のゲインを求めます

ω✕T/Kが十分に大きい場合は、1を無視できます。

従って、

g=−20log10√{1+(ω✕T/K)2}

=−20log10√(ω✕T/K)2

=−20log10ω✕T/K……③

 

となり、

ω✕T/K=10と仮定した場合の値はg=−20[dB]になることが分かります。

 

◆③を使ってゲインが1の場合を求めます

ゲインが1の場合を求めることで、折れ点角周波数を求めることができます。

1=−20log10ω✕T/K

−20log100=−20log10ω✕T/K

1=ω✕T/K

ω=K/T[rad/s]

 

これらの全ての条件を満たす、この選択肢が正解となります。

 

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02

自動制御の問題となります。

まず問題図のブロック線図から伝達関数G(S)を求めていきます。

・伝達関数G(S)=出力信号Y(S)/入力信号(S)より

・伝達関数G(S)=K×1/jωT=K/jωT

次に合成伝達関数W(S)を求めます。

問題のブロック線図は直結フィードバック結合となる為、合成伝達関数W(S)は次のようになります。

・W(S)=G/1+G‥①

上記①式にG(S)=K/jωTを代入して展開していきます。

・W(S)=(K/jωT)/1+(K/jωT)=K/K+jωT‥②

 

続きましてゲイン特性を求めていきます。ゲインは次の公式で求められます。

・g=20log10|W(jω)|[dB]

上記式に②を代入します。

・g=20log10|K/K+jωT|=20log10K/√K2+(ωT)2

次にω<<1/T(ωが十分に小さい時)のゲインを求めます。ωの値が小さいので無視できると考える事ができるから値は次のようになります。

・g=20log10K/√K2=20log10K/K=20log10×1=0[dB]

次にω>>1/T(ωが十分に大きい時)のゲインを求めます。ωの値が大きいので次のようになります。

・g=20log10K/√(ωT)2=20log10K/ωT=20log10K-20log10ωT[dB]

そして折れ点角周波数を求めていきます。ゲインg=0[dB]とすると次のようになります。

・0=20log10K/ωT

・1=K/ωT※(20log100=1)

・ω=K/T [rad/s]

以上より、適切なボード線図を見ていきたいと思います。

 

 

選択肢4. 解答選択肢の画像

ωが十分に小さい時に0[dB]のラインにあり、折れ点角周波数がK/Tでもありωが十分に大きい時には-20[dB]となっているこちらのボード線図が適切となります。

まとめ

初見では難しい問題と言えますが、自動制御の基礎が詰まっている問題とも言えますので余裕があれば時間をかけて学習して頂くと幅が広がると思います。

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