第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)下期
法規 問11(b)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 法規 問11(b) (訂正依頼・報告はこちら)

図は、線間電圧V[V]、周波数f[Hz]の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。高圧配電線路一相の全対地静電容量をC1[F]、需要設備一相の全対地静電容量をC2[F]とするとき、次の問に答えよ。
ただし、図示されていない負荷、線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。

<前問>の地絡電流Igは高圧配電線路側と需要設備側に分流し、需要設備側に分流した電流は零相変流器を通過して検出される。上記のような需要設備構外の事故に対しても、零相変流器が検出する電流の大きさによっては地絡継電器が不必要に動作する場合があるので注意しなければならない。地絡電流Igが高圧配電線路側と需要設備側に分流する割合はC1とC2の比によって決まるものとしたとき、Igのうち需要設備の零相変流器で検出される電流の値[mA]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、V=6600V、f=60Hz、C1=2.3μF、C2=0.02μFとする。
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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、需要設備付近で発生した一線完全地絡事故で流れる地絡電流のうち、

需要設備の零相変流器で検出される地絡電流を求める計算問題です。

 

この問題に必要な量記号や値は以下の通り。

 

高圧配電線路1相の全対地静電容量C1:2.3[μF]

需要設備1相の全対地静電容量C2:0.02[μF]

電圧V:6600[V]

周波数f:60[Hz]

 

需要設備の零相変流器で検出される電流:Ig[mA]

選択肢2. 86

前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/75780)で導出した地絡電流Igは、

Ig=2√3Vπf(C1+C2)

でした。

 

この式を展開すると、

Ig=2√3Vπf(C1+C2)

=2√3VπfC1+2√3VπfC2

となり、高圧配電線路側の地絡電流と需要設備側の地絡電流の合計であることが分かります。

 

この問題では、需要設備側の地絡電流について訊いているので

Ig=2√3VπfC2

で求めることができます。

 

従って、

Ig=2√3VπfC2

=2√3×6600×π×60×0.02×10-6

≒0.0862[A]

 

となります。

問題では[mA]で訊いているので、86[mA]が正しい選択肢となります。

 

※注意

問題文では、高圧配電線路側の静電容量も与えられているため、

前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/75780)で導出した式にそのまま代入すると、

間違いになるので注意が必要です。

参考になった数2

02

前問からの続きとなります。

まずは地絡電流Igを求めます。

・Ig=2√3Vπf(C1+C2)=2√3×6600×3.14×60×2.32×10-6≒10[A]

次に問題で問われている需要設備の零相変流器で検出される電流の値[mA]を求めていきます。分流式を用いて求める事が出来ます。

・Ig2=Ig×C2/C1+C2=10×0.02/2.32≒0.0862[A]=86.2[mA]

以上のようになります。よって86[mA]が適切な解答と言えます。

 

 

選択肢2. 86

こちらが適切な解答となります。

まとめ

前問の答えがわからないと解けないのでまずは前問からしっかり学習する事をお薦め致します。

参考になった数0