第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)下期
法規 問13(b)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 法規 問13(b) (訂正依頼・報告はこちら)

電気工作物に起因する供給支障事故について、次の問に答えよ。

次の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

①受電設備を含む配電系統において、過負荷又は短絡あるいは地絡が生じたとき、供給支障の拡大を防ぐため、事故点直近上位の遮断器のみが動作し、他の遮断器は動作しないとき、これらの遮断器の間では( ア )がとられているという。
②図2は、図1の高圧需要家の事故点2又は事故点3で短絡が発生した場合の過電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。( ア )がとられている場合、遮断器Bの継電器動作特性曲線は、( イ )である。
③図3は、図1の高圧需要家の事故点2で地絡が発生した場合の零相電流と遮断器(遮断器A及び遮断器B)の継電器動作時間の関係を示したものである。( ア )がとられている場合、遮断器Bの継電器動作特性曲線は、( ウ )である。また、地絡の発生箇所が零相変流器より負荷側か電源側かを判別するため( エ )の使用が推奨されている。
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この過去問の解説 (1件)

01

前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/75784)からの続きとなります。

電気工作物に起因する供給支障事故時の遮断器の動作並びに特性について問われている問題となります。

各空白箇所は次のようになります。

( ア )‥保護協調

・保護協調とは過負荷又は短絡あるいは地絡が生じたときに事故回路を切り離し、他の健全な回路は送電を継続するように保護システムを構成する事です。供給支障の拡大を防ぐため、事故点直近上位の遮断器のみが動作します。

 

( イ )‥曲線2

・曲線2の理由として、保護協調がとられている場合に遮断器B(需要家側)は大前提として遮断器A(電力供給側)よりも早く遮断しなければなりません。さらに需要家側の過電流継電器の動作特性として、限時要素と瞬時要素を考慮する必要があり、限時要素は主に過電流時の動作特性であり緩やかな曲線を描きます。瞬時要素は主に短絡電流時の動作特性であり、過大な短絡電流が流れる為、瞬時に遮断させる必要があります。なので曲線としては線が直下して横一線の形となります。よって曲線2が適切となります。

 

( ウ )‥曲線4

・②と同様に地絡事故に対しても遮断器B(需要家側)は遮断器A(電力供給側)よりも早く遮断しなければなりません。なので曲線4が適切となります。

 

( エ )‥地絡方向継電器

・地絡方向継電器(DGR)は零相変流器(ZCT)と零相電圧検出器(ZPD)で構成され、地絡電流と位相(方向)を検出する事で構内(負荷側)での地絡事故か供給側(電源側)かを判別する事が出来ます。

選択肢4. ア:保護協調  イ:曲線2  ウ:曲線4  エ:地絡方向継電器

こちらが適切な解答となります。

まとめ

この問題は実務的な問題とも言えます。試験だけではなく、現場でも必要となる知識ですので必ず覚えておきましょう。

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