第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問12 (理論 問12)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和6年度(2024年)上期 問12(理論 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

真空中に置かれた平行電極板間に、直流電圧V[V]を加えて平等電界E[V/m]を作り、この陰極板に電子を置いた場合、初速零で出発した電子が陽極板に到達したときの速さは、v[m/ s]となった。このときの電子の運動エネルギーは、電子が陽極板に到達するまでに得るエネルギーに等しいと考えられ、次の式が成立する。
記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、エネルギー保存の法則を用いて電子の運動エネルギーと電場によるエネルギーの関係を求め、その式から速さ vを導く内容です。

 

1. エネルギー保存の法則

電子が陰極から陽極まで移動する間に電場 E から得るエネルギーは電気素量 eと電位差 V の積で表されます。電場から得たエネルギーは全て電子の運動エネルギーに変換されるため、次の関係が成り立ちます。

 

1/2mv2=eV

 

ここで、

m:電子の質量(kg)

v:電子の速さ(m/s)

e:電子の電気素量(C)

V:電圧(V)

 

2. 式の意味

(ア)には右辺のエネルギー「電子が電場によって得るエネルギー」が入ります。この値は eV  で表されます。

(イ)には電子の速さ v を表す式が入ります。この式を導くには、運動エネルギーの式を変形します。

 

3. 電子の速さを求める式

エネルギー保存の式:1/2mv2=eV

両辺をmで割り、v2を求める:v2=2ev/m

速さvは平方根を取って得られます:v=√2eV/m

 

(ア)に入るのは eV(電子が電場から得るエネルギー)。

(イ)に入るのは √2eV/m

正しい選択肢は「eV, √2eV/m」です。

 

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この選択肢は誤りです。

選択肢2. 解答選択肢の画像

この選択肢は正しいです。

選択肢3. 解答選択肢の画像

この選択肢は誤りです。

選択肢4. 解答選択肢の画像

この選択肢は誤りです。

選択肢5. 解答選択肢の画像

この選択肢は誤りです。

まとめ

電場中を運動する電子の運動エネルギーは、電場から得るエネルギーに等しいです。

エネルギー保存の法則を使って電子の速さを求める際、質量や電気素量などの物理定数に注意しましょう。平方根の形で速さを表す計算手順を理解することが重要です。

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