第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問40 (電力 問16(b))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)上期 問40(電力 問16(b)) (訂正依頼・報告はこちら)

定格容量80MV・A、一次側定格電圧33kV、二次側定格電圧11kV、百分率インピーダンス18.3%(定格容量ベース)の三相変圧器TAがある。三相変圧器TAの一次側は33kVの電源に接続され、二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは、1.5%(系統基準容量ベース)とする。ただし、系統基準容量は80MV・Aである。なお、抵抗分及びその他の定数は無視する。次の問に答えよ。

定格容量50MV・A、百分率インピーダンスが12.0%(定格容量ベース)の三相変圧器TBを三相変圧器TAと並列に接続した。40MWの負荷をかけて運転した場合、三相変圧器TAの負荷分担の値[MW]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。ただし、三相変圧器群TAとTBにはこの負荷のみが接続されているものとし、抵抗分及びその他の定数は無視する。
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  • 19.5
  • 20.5
  • 24.2
  • 24.6

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この過去問の解説 (3件)

01

三相変圧器を並列接続した時の負荷分担に関する計算問題です。

 

この問題を解くにあたり、同じ容量の変圧器が並列接続されている時の負荷分担に関する公式の知識が必要となります。

 

PA={%zB/(%zA+%zB)}✕P

 

PA:変圧器Aの容量

%zA:変圧器Aの百分率インピーダンス

%zB:変圧器Bの百分率インピーダンス

P:負荷の容量

選択肢3. 20.5

◆変圧器Aの容量を変圧器Bの容量に合わせます

PA:%zA=PA':%zA'

80:18.3=50:%zA'

%zA'=(18.3✕50)/80

≒11.44[%]

 

◆変圧器Aが分担する容量を求めます

冒頭で説明した公式に値を代入していきます。

この時、変圧器Aの百分率インピーダンスは変圧器Bに合わせた百分率インピーダンスを使用することに注意が必要です。

 

PA={%zB/(%zA'+%zB)}✕P

={12/(11.44+12)}✕40

≒20.48[MV·A]

 

したがって、最も近い選択肢は20.5[MV·A]となります。

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02

この問題は、三相変圧器を並列で運転した場合の負荷分担を求めるものです。

 

三相変圧器TAとTBの定格容量あたりの百分率インピーダンスを求めます。

 TA 18.3/(80x106)

 TB 12.0/(50x106)

 

TAの負荷分担を求めます。

負荷分担比率は、定格容量あたりの百分率インピーダンスの逆比です。

 TAの負担分担比率 12.0/(50x106)/(18.3/(80x106) + 12.0/(50x106))=12.0/50/(18.3/80+12.0/50)

 TBの負担分担比率 18.3/(80x106)/(18.3/(80x106) + 12.0/(50x106))=18.3/80/(18.3/80+12.0/50)

TAの負荷分担は、合計の負荷にTAの負担分担比率を掛けたものなので、

 TAの負荷分担=40 x 12.0/50/(18.3/80+12.0/50)=20.48=20.5[MW]

まとめ

変圧器を並列運転する場合の負荷分担の考え方、定格容量と百分率インピーダンスの関係を理解しておきましょう。

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03

前問からの続きで今回は変圧器の負荷分担に関する計算問題となります。

問題で与えられている二つの変圧器の条件をあらためて整理します。

 

【三相変圧器TA 定格容量80MV・A、百分率インピーダンス%ZA=18.3%

【三相変圧器TB 定格容量50MV・A、百分率インピーダンス%ZB=12.0%

 

変圧器の負荷を分担するにあたって百分率インピーダンスをどちらかの容量基準に合わせる必要があります。

今回は三相変圧器TAの80MV・Aに合わせたいと思います。

 

・P1:%ZA´=P2:%ZB

・80:%ZA´=50:12.0

上記の比の関係を変形させて%ZA´を求めます。

 

・%ZA´=80×12/50=19.2[%]

 

基準容量の百分率インピーダンスを合わせることが出来たので、負荷分担計算をしていきます。

用いる公式は以下となります。

 

・PA=(%ZA´/%ZA+%ZA´)×P‥①

※P:負荷[W]

 

①式に数値を代入します。

・PA=(19.2/18.3+19.2)×40×106=20.48×10620.5[MW]

 

以上となります。 

選択肢3. 20.5

こちらが適切な解答となります。

まとめ

変圧器の負荷分担に関する問題は過去にも多く出題されています。基準容量の換算などを理解していれば計算自体は複雑ではないので、基礎からしっかり学習される事をお薦めします。

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