第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問41 (電力 問17(a))
問題文
各区間のこう長はA−B間1.5km,B−S(開閉器)間1.0km,S(開閉器)−C間0.5km,C−D間1.5km,D−A間2.0kmである。
ただし、電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmとし、リアクタンスは無視するものとして、次の問に答えよ。
電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。ただし、電圧は線間電圧とする。

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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)上期 問41(電力 問17(a)) (訂正依頼・報告はこちら)
各区間のこう長はA−B間1.5km,B−S(開閉器)間1.0km,S(開閉器)−C間0.5km,C−D間1.5km,D−A間2.0kmである。
ただし、電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmとし、リアクタンスは無視するものとして、次の問に答えよ。
電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。ただし、電圧は線間電圧とする。

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この過去問の解説 (3件)
01
三相3線式ループ配電線路の電圧降下に関する問題です。
◆A-D間、D-C間の電線の抵抗を求めます
RAD=2.0✕0.2=0.4[Ω]
RDC=1.5✕0.2=0.3[Ω]
◆A-D間、D-C間の電流を求めます
IDC=30[A] ※C点から流出している電流
IAD=60+30=90[A] ※C点とD点から流出している電流の合計
◆A-C間の電圧降下を求めます
この回路は三相3線式なので、電圧降下はv=√3IRで求めることができます。
A-C間の電圧降下は、A-D間、D-C間の電圧降下の和なので、vAC=vAD+vDCとなります。
これらの式に値を代入すると、
vAC=vAD+vDC
=(√3IADRAD)+(√3IDCRDC)
=(√3✕90✕0.4)+(√3✕30✕0.3)
≒77.94[V]
となります。
したがって、最も近い選択肢は77.9[V]となります。
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02
この問題は、与えられた情報からA点からC点までの電圧降下を求めるものです。
開閉器Sが開いているので、電流はA→D→Cの順に流れます。
AD間にはD点とC点の両方の負荷電流が流れるので、AD間の電流IADは、
IAD=60 + 30=90[A]
であり、DC間の電流IDCは、
IDC=30[A]
AD間の抵抗RADおよびDC間の抵抗RDCは、
RAD=0.2 x 2.0=0.4[Ω]
RDC=0.2 x 1.5=0.3[Ω]
電圧降下eの近似式は、電流I、電線1線当たりの抵抗R、電線1線当たりのリアクタンスXを用いて
e=√3I(Rcosθ + Xsinθ)
と表されるが、問題文より力率が100%(cosθ=1)で、リアクタンスは無視できるので、
e=√3IR
よって、A点からC点までの電圧降下eは、
e=eAD + eDC
=√3 x 90 x 0.4 + √3 x 30 x 0.3
=77.9[V]
三相3線式配電線路の各区間における電流、抵抗から電圧降下を正しく計算できるようにしておきましょう。
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03
配電線路の電圧降下の値を求める問題となります。
三相送配電線路の電圧降下vを求める公式は以下のようになります。
・v=√3I(Rcosθ+Xsinθ)[V]‥①
ここで問題文よりリアクタンスXは無視でき、各負荷の力率は100%でありcosθ=1とできるので、この問題では電圧降下vは次のようにする事ができます。
・v=√3IR‥①´
求める値は電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]なので各分岐点での電圧降下を求めていく必要がありますが、問題文より開閉器Sは開いているのでこの回線の電流の流れは以下となります。
・【点A→点D→点C】
上記よりまずは各点線間の電流値を求めます。求め方としてはキルヒーホッフの第一法則を利用して点Cから求めていく形となります。
・点Cの電流値=30[A]
・点Dの電流値=60[A]
・点Aの電流値=30+60=90[A]
次に点A-点D間の電圧降下VADを求めますが、抵抗Rは電線1線当たりの抵抗0.2Ω/km×Lとなりますのでこちらを考慮した形で求めたいと思います。
・VAD=√3IR=√3×90×(0.2×2.0)≒62.3[V]
続いて点Dー点C間の電圧降下VCDを求めます。
・VCD=√3IR=√3×30×(0.2×1.5)≒15.6[V]
最後に全体の点A-点C間の電圧降下は次のようになります。
・VAC=VAD+VCD=62.3+15.6=77.9[V]
以上となります。
こちらが適切な解答となります。
この問題に関しては理論科目の直列回路の計算問題のような感じなので、苦手な方は改めてそちらから見直すことをお薦めいたします。
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