第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問58 (機械 問15(b))
問題文
ただし、電動機の二次抵抗値が一定のとき、滑りとトルクは比例関係にあるものとする。
この電動機を定格負荷の80%のトルクで運転する場合、二次巻線端子に三相抵抗器を接続し、二次巻線回路の1相当たりの抵抗値を短絡時の2.5倍にしたときの回転速度[min−1]の値として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和6年度(2024年)上期 問58(機械 問15(b)) (訂正依頼・報告はこちら)
ただし、電動機の二次抵抗値が一定のとき、滑りとトルクは比例関係にあるものとする。
この電動機を定格負荷の80%のトルクで運転する場合、二次巻線端子に三相抵抗器を接続し、二次巻線回路の1相当たりの抵抗値を短絡時の2.5倍にしたときの回転速度[min−1]の値として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
- 980
- 1110
- 1140
- 1170
- 1200
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題では、誘導電動機の回転速度を求めるために滑りと抵抗値の関係を考えます。
問題文の整理をします。
与えられた条件:
定格周波数:60 Hz
極数:6極
定格負荷時の回転速度:1170 min⁻¹
二次巻線の短絡時の二次抵抗値:r2
抵抗値を短絡時の 2.5 倍にする。
定格負荷のトルク:T定格
トルクが80%の状態を考える。
1. 同期速度を求めます。
同期速度 (Ns) は、次の式で計算されます。
Ns=120・f/p
ここで、f=60Hz(周波数) P=6(極数)で計算します。
Ns=120・60/6=1200min-1
2. 定格負荷時の滑りを求めます。
滑り (s) は、同期速度と実際の回転速度から計算されます。
s=Ns-n/Ns
ここで、n=1170min-1(定格負荷時の回転速度)
Ns=1200min-1 で計算します。
s定格=1200–1170/1200=30/1200=0.025
3. トルクと滑りの関係を確認します。
トルク (T) と滑り (s) は、次の比例関係があります。
T∝s/r2
抵抗値を短絡時の 2.5 倍にすると、実効滑り (s新) は次のように変化します。
s新=s定格・T新/T定格・2.5
T新=0.8・T定格なので、s新=s定格・0.8・2.5
s新=0.025・0.8・2.5=0.05
4. 回転速度を求めます。
滑り (s新) から回転速度 (n新) を計算します。
n新=Ns・(1–s新)
n新=1200・(1–0.05)=1200・0.95=1140min-1
よって、正しいのは「1140」です。
この選択肢は誤りです。
この選択肢は誤りです。
この選択肢は正しいです。
この選択肢は誤りです。
この選択肢は誤りです。
誘導電動機の回転速度は同期速度と滑りによって決まります。
トルクが変化すると滑りも比例して変化します。
抵抗値が増加すると実効滑りも増加します。
滑りの変化を正確に計算することで、回転速度を求められます。
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