第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)下期
問31 (電力 問9)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)下期 問31(電力 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、我が国の高低圧配電系統における保護について述べた文章である。
6.6kV高圧配電線路は、60kV以上の送電線路や送電用変圧器に比べ、電線路や変圧器の絶縁が容易であるため、故障時に健全相の電圧上昇が大きくなっても特に問題にならない。また、1線地絡電流を( ア )するため( イ )方式が採用されている。
一般に、多回線配電線路では地絡保護に地絡方向継電器が用いられる。これは、故障時に故障線路と健全線路における地絡電流が( ウ )となることを利用し、故障回線を選択するためである。
低圧配電線路で短絡故障が生じた際の保護装置として( エ )が挙げられるが、これは、通常、柱上変圧器の( オ )側に取り付けられる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
  • ア:小さく  イ:非接地  ウ:同位相  エ:高圧カットアウト  オ:二次
  • ア:大きく  イ:接地  ウ:逆位相  エ:ケッチヒューズ  オ:一次
  • ア:大きく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:二次
  • ア:小さく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:一次
  • ア:小さく  イ:接地  ウ:同位相  エ:ケッチヒューズ  オ:一次

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この過去問の解説 (3件)

01

高低圧配電系統の保護に関する穴埋め問題です。

選択肢4. ア:小さく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:一次

(ア)小さく 、 (イ)非接地

6.6kV高圧配電線路は、1線地絡電流を小さくするため非接地方式が採用されています。

 

(ウ)逆位相

健全相と故障相では地絡電流の位相が逆位相になります。

地絡方向継電器では、この性質を利用して判定しています。

 

(エ)高圧カットアウト 、 (オ)一次側

高圧カットアウトは、低圧側が短絡した時に高圧側を保護するために設置される装置です。

ヒューズを内蔵した箱形や円筒形のものがあり、柱上変圧器の高圧側に設置されます。

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02

高低圧配電系統における保護に関しての問題です。

言葉で理解するよりも感覚的に覚えた方が、分かりやすいかもしれません。

6.6kV高圧配電線路は60kV以上の送電線路や送電用変圧器に比べて、絶縁が容易であるために、故障時にも健全相の電圧上昇が大きくても大きな問題にはなりません。

1線地絡電流を小さくするために非接地方式になっています。

多回線配電線路では地絡保護に地絡方向継電器が用いられています。

それは、故障時に故障線路と健全線路における地絡電流が逆位相になっていて、故障回線を選択するためです。

低圧配電線路で短絡故障が生じると保護装置として高圧カットアウトがあげられますが、柱上変圧器の一次側に取り付けられます。

選択肢1. ア:小さく  イ:非接地  ウ:同位相  エ:高圧カットアウト  オ:二次

誤:選択肢に誤りがあります。

選択肢2. ア:大きく  イ:接地  ウ:逆位相  エ:ケッチヒューズ  オ:一次

誤:選択肢に誤りがあります。

選択肢3. ア:大きく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:二次

誤:選択肢に誤りがあります。

選択肢4. ア:小さく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:一次

正:すべて正しいです。

選択肢5. ア:小さく  イ:接地  ウ:同位相  エ:ケッチヒューズ  オ:一次

誤:選択肢に誤りがあります。

まとめ

難しい語句が並んでいて、一つ一つ理解できるまでと行っていると、時間がいくらあっても足りないと思われます。

そのため、こういった文章題は感覚的にこうだったなと思えるまで読み更けて文章を見たらこのことを聞きたいのだなと思えるようになっていった方が他の問題に時間を割り当てられます。

参考になった数0

03

我が国では、6.6kV高圧配電系統は全て非接地式方式です。この方式は非接地方式では地絡電流は、ほぼ系統の対地充電電流だけになります。

この電圧階級では、系統電圧が低いことから、地絡時の健全相の電圧上昇が大きくなっても絶縁レベルは問題にならないこと、また、周密な市街地内に施設されることから、地絡事故発生時の地絡電流を小さくすることで、通信線への誘導障害防止や保安確保を優先しています。

選択肢1. ア:小さく  イ:非接地  ウ:同位相  エ:高圧カットアウト  オ:二次

こちらは不正解となります。

地絡方向継電器は、他回線事故(もらい事故)と構内事故を判別できます。構内での地絡事故発生時は、健全相電流と故障電流が逆位相となり、零相電圧と零相電流で決まる動作領域の範囲内となり故障を判別します。

 

高圧カットアウトは、高圧ヒューズと組み合わせて、負荷の開閉や変圧器の過負荷保護を行います。

選択肢2. ア:大きく  イ:接地  ウ:逆位相  エ:ケッチヒューズ  オ:一次

こちらは不正解となります。

 

高圧配電線路は地絡電流は小さくなります。

 

選択肢3. ア:大きく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:二次

こちらは不正解となります。

 

選択肢4. ア:小さく  イ:非接地  ウ:逆位相  エ:高圧カットアウト  オ:一次

こちらが正解となります。

 

選択肢5. ア:小さく  イ:接地  ウ:同位相  エ:ケッチヒューズ  オ:一次

こちらは不正解となります。

 

まとめ

我が国で用いられている、非接地式方式(6.6kV)の特徴と保護継電器、開閉器の種類については、覚えておきましょう。

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