第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)下期
問32 (電力 問10)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)下期 問32(電力 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

電圧6.6kV、周波数60Hz、こう長2kmの交流三相3線式地中電線路がある。ケーブルの心線1線当たりの静電容量を0.5μF/kmとするとき、このケーブルの心線3線を充電するために必要な三相無負荷充電容量の値[kV・A]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
  • 5.5
  • 8.2
  • 16.4
  • 28.4
  • 49.3

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この過去問の解説 (3件)

01

三相3線式地中電線路の無負荷充電容量を求める計算問題です。

選択肢3. 16.4

◆ケーブル1線あたりの静電容量Cを求めます

 

C=0.5✕2

=1[μF]

 

 

◆1相分の電流ICを求めます

 

IC=E/XC

=(V/√3)/XC

=(V/√3)/(1/2πfC)

=2πfCV/√3[A]

 

 

◆1相分の無負荷充電容量Qを求めます

無負荷充電容量とありますが、[kV·A]の単位からも分かるように電力を求める公式から求めることができます。

したがって、

 

Q=EIC

=(V/√3)(2πfCV/√3)

=2πfCV2/3[kV·A]

 

 

◆三相無負荷充電容量QCを求めます

 

QC=3Q

=3✕(2πfCV2/3)

=2πfCV2

=2π✕50✕1✕10-6✕(6.6✕103)2

≒16.4[kV·A]

参考になった数9

02

三相無負荷充電容量の値を求める問題です。

与えられた単位から最終的に〔kV・A〕になるように計算していきます。

まず、こう長2㎞で心線1線当たりが0.5μF/㎞なので、これらの積で静電容量Cが1μFになります。

続いて1線あたりの電流値はI₌V/√3/1/ωC₌ωCV/√3₌2πfCV/√3になります。

3相分の充電容量は3I(V/√3)となって、3×2πfCV/√3(V/√3)₌2πfCV2となります。

与えられた数値をあてはめていくと、2×3.14×60×1×10-6×(6.6×1032≒16.413kV・Aとなります。

選択肢1. 5.5

誤:計算結果と異なります。

選択肢2. 8.2

誤:計算結果と異なります。

選択肢3. 16.4

正:計算結果の近似値となります。

選択肢4. 28.4

誤:計算結果と異なります。

選択肢5. 49.3

誤:計算結果と異なります。

まとめ

直流ですと静電容量から電流値を求めて、電圧との積で求まります。

しかし、交流ですと複雑になってきます。

その辺を踏まえて取り組んでいきましょう。

参考になった数0

03

ケーブルの三相無負荷充電容量の値は、周波数、静電容量、電圧より決まってきます。

ケーブルの三相無負荷充電容量Qc[VA]と1相分の電流Ic[A]は、f:周波数[Hz]、C:1回線1相の静電容量[F]、V:線間電圧[V]、E:相電圧V]、n:回線数として、次式になります。

Qc=√3IcVn[VA]

Ic=2πfCE=2πfC(V/√3)

 

ここで、n=1回線のため、

Qc=√3IcV=√3×(2πfC(V/√3))×V=2πfC×V×V

=2π✕50✕(0.5✕10-6✕2)×(6.6✕103)2

≒16.4[kV·A]

選択肢1. 5.5

誤りです。

選択肢2. 8.2

誤りです。

選択肢3. 16.4

こちらが正解となります。

選択肢4. 28.4

誤りです。

選択肢5. 49.3

誤りです。

まとめ

三相無負荷充電容量と1相分の電流の算出式は公式として覚えておきましょう。

参考になった数0