第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)下期
問35 (電力 問13)
問題文
図のように高低差のない支持点A、Bで支持されている径間Sが100mの架空電線路において、導体の温度が30℃のとき、たるみDは2mであった。
導体の温度が60℃になったとき、たるみDの値[m]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、電線の線膨張係数は1℃につき1.5✕10ー5とし、張力による電線の伸びは無視するものとする。

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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)下期 問35(電力 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
図のように高低差のない支持点A、Bで支持されている径間Sが100mの架空電線路において、導体の温度が30℃のとき、たるみDは2mであった。
導体の温度が60℃になったとき、たるみDの値[m]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、電線の線膨張係数は1℃につき1.5✕10ー5とし、張力による電線の伸びは無視するものとする。

- 2.05
- 2.14
- 2.39
- 2.66
- 2.89
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この過去問の解説 (3件)
01
温度変化後の送電線のたるみを求める計算問題です。
◆30℃の時の電線の流さL1を求めます
L1=S+(8D2/3S)
=100+(8✕22/3✕100)
≒100.1067[m]
◆60℃の時の電線の流さL1を求めます
L2=L1{1+α(t2-t1)}
=100.1067✕{1+1.5✕10-5✕(60-30)}
≒100.1517[m]
◆60℃の時のたるみD'を求めます
L2=S+(8D'2/3S)
L2-S=(8D'2/3S)
8D'2=3S(L2-S)
D'2=3S(L2-S)/8
D'=√{(3S/8)(L2-S)}
=√{(3✕100/8)(100.1517-S)100}
≒2.39[m]
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02
送電線の温度変化後の弛度(たるみ)を求める計算です。
電線の実長L1は径間S、たるみDとすると以下①式になります。
L1=S+(8D2/3S)・・・①
また、温度t2における電線長L2は、温度t1における電線長L1より以下②式になります。
L2=L1{1+α(t2-t1)}・・・②
ここで、αは電線の線膨張係数です。
誤りです。
誤りです。
正しいです。
①式より、電線長L1を求めます。
L1=S+(8D2/3S)
=100+(8✕22/3✕100)
≒100.1067[m]
②式より、温度変化後、温度t2=60度のときの電線長L2を求めます。
L2=L1{1+α(t2-t1)}
=100.1067✕{1+1.5✕10-5✕(60-30)}
≒100.1517[m]
①式より、電線長L2のときのたるみD'を求めます。
L2=S+(8D'2/3S)
L2-S=(8D'2/3S)
8D'2=3S(L2-S)
D'2=3S(L2-S)/8
D'=√{(3S/8)(L2-S)}
=√{(3✕100/8)(100.1517-S)100}
≒2.39[m]
誤りです。
弛度(たるみ)の計算において、電線の実長L、温度変化による実長の計算式は公式として覚えておくようにしましょう。
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03
架空電線路の導体の温度に対するたるみの変化を求める問題です。
まず、電線の実長を求めます。
L2=S+(8D2/3S)=100+(8×22/3×100)≒100.106mになります。
温度上昇による実長の変化を求めます。
L=L2〔1+α(t2-t1)〕=100.106×〔1+1.5×10-5×(60-30)〕=100.151
これらを実長を求める式に当てはめていくと、
100+(8D2/3×100)=100.151
8D2/300=0.151
8D2=45.3
D2=5.6625
D≒2.38となります。
誤:計算結果と異なります。
誤:計算結果と異なります。
正:最も計算結果に近い値です。
誤:計算結果と異なります。
誤:計算結果と異なります。
普段よく見かける電線のたるみの具合を見ていく問題でした。
何気なく見ていますが、ちゃんと意味があってたるみがあることが分かります。
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