第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)下期
問51 (機械 問9)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)下期 問51(機械 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

定格容量100kV・A、定格一次電圧6.3kVで特性の等しい単相変圧器が2台あり、各変圧器の定格負荷時の負荷損は1600Wである。この変圧器2台をV−V結線し、一次電圧6.3kVにて90kWの三相平衡負荷をかけたとき、2台の変圧器の負荷損の合計値[W]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、負荷の力率は1とする。
  • 324
  • 432
  • 648
  • 864
  • 1440

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この過去問の解説 (3件)

01

変圧器をV-V結線した時の負荷損の合計を求める計算問題です。

選択肢2. 432

変圧器1台分の負荷損であるため、間違いです。

詳細は、正しい選択肢の解説を参照してください。

選択肢4. 864

◆定格時の相電流Ipnを求めます

V結線の相電流は、線電流の1/√3倍になるので、

 

Ipn=(1/√3)(Sn/Vn)

=(1/√3)(100✕103/6.3✕103)

≒9.16[A]

 

 

◆負荷電流(=V結線の線電流)Isを求めます

P=√3VIscosθより

 

Is=P/√3Vcosθ

=90✕103/√3✕6.3✕103✕1

≒8.25[A]

 

 

◆単相変圧器が出力する相電流Ipを求めます

 

Ip=Is/√3

=8.25/√3

≒4.76[A]

 

 

◆負荷電流Isの時の変圧器1台あたりの負荷損Pl1を求めます

負荷損は電流の2乗に比例するので、

 

Pl1:Pln=Ip2:Inp2

 

が成立します。

この式をPl1について整理すると、

 

Pl1:Pln=Ip2:Inp2

Inp2Pl1=Ip2Pln

Pl1=(Ip/Inp)2Pln

=(4.76/9.16)2✕1600✕103

≒432[W]

 

となります。

 

 

◆変圧器2台分の負荷損Pl2を求めます

 

Pl2=2Pl1

=2✕432

864[W]

まとめ

問題文に変圧器とあるので変圧比が気になるところですが、変圧比は電圧・電流ともに変圧比の分の変化しかないので、変圧比を1:1と仮定して、一次側電圧の値をそのまま利用して計算しています。

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02

変圧器2台をV−V結線したときの変圧器の負荷損を求める問題です。

選択肢4. 864

①定格負荷電流Inを求めます。

In=Sn/√3Vn=100/6.3√3=9.16[A]

となります。

 

②線電流Isを求めます。

Is=P/√3Vcosθ=90/(6.3√3×1)=8.25[A]

となります。

 

③相電流Ipを求めます。

②より、

Ip=Is/√3=4.76[A]

となります。

 

④2台分の負荷損Pを求めます。

題意より、定格負荷時の負荷損Pn1600[W]なので、

P=2×(Ip/In)2×Pn=(4.76/9.16)2×1600=864[W]

と求められます。

 

参考になった数1

03

V−V 結線をした変圧器の負荷損を求める問題です。

選択肢1. 324

誤りです。

選択肢2. 432

誤りです。

選択肢3. 648

誤りです。

選択肢4. 864

正しいです。

 

P=90 [kW] で力率 1 の負荷に電力を供給するために各変圧器が分担する容量を P1 [kV⋅A] としますと以下の通りとなります。

 

P=√3/2×2×P1

 

P1=P/√3=90/√3

≒51.96 [kV⋅A]

 

負荷損は出力の 2 乗に比例しますので、各変圧器は、100[kV・A]であり、その負荷損 Pc [W] は以下の通りです。

Pc=(51.96/100)2×1600

≒432.0 [W]

 

2 台の負荷損の合計値 [W] は、以下の通りです。
2×Pc=2×432.0

=864 [W]


 

選択肢5. 1440

誤りです。

まとめ

V-V結線の場合の利用率として、√3/2となることは覚えておきましょう。

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