1級電気工事施工管理技士の過去問
令和元年度(2019年)
午前 イ 問11

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年) 午前 イ 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

電力系統の安定度向上対策に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 系統のリアクタンスを小さくする。
  • 直列リアクトルを設置する。
  • 発電機に速応励磁方式を採用する。
  • 高速度保護リレー方式を採用する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は【2】です。

安定度向上を考えたときに、インピーダンスを小さくします。
電圧変動率が小さくなり、安定度が向上します。
直列リアクトルを設置すると、インピーダンスは高くなるので
安定度向上対策としては不適当です。

【1】
系統のリアクタンスを小さくする事は、
インピーダンスを小さくする事なので、安定度向上対策として、
適当です。

【3】
速応励磁方式とは
自動電圧調整機(AVR)によって、
励磁電圧を高速に制御し端子電圧を一定に保つ方式で、
安定度向上対策として適当です。

【4】
事故点を高速度に切り離す事になりますので、
安定度向上対策として、適当です。

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02

正解は2です。

電力系統の安定度向上のために、負荷の変動や事故があっても安定した供給を維持するための工夫や設備が必要となります。

系統のリアクタンスを小さくすることで無効電流等の変動要因を減らすことができますし、発電機に速応励磁方式を採用することで負荷変動への対応が早くなります。

また高速度保護リレー方式を採用することにより事故箇所の切り離しを迅速に行なえます。


しかし直列リアクトルは、力率改善用コンデンサに接続することで高調波の抑制や電力用コンデンサの開閉によるトラブルを防止するための機器であり、電力系統全体の安定度にはあまり関わりません。

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03

電力系統の安定度向上対策に関する問題です。

電力系統の安定度は、安定して電力を送れる限度で、徐々に負荷増加時でも継続的に電力が送れるのを定態安定度と言います。突然急激に乱れた場合でも、平衡状態に戻せるのを過渡安定度と言います。

選択肢1. 系統のリアクタンスを小さくする。

系統の送電電圧を維持するには、系統の電圧を高くして負荷電流を少なくするか、線路や変圧器などの機器のインピーダンス、リアクタンスを小さくして電圧降下を少なくします。

選択肢2. 直列リアクトルを設置する。

×

直列コンデンサを設置します。直列コンデンサは、線路に容量性リアクタンスを挿入することで、線路リアクタンスを補償して、電圧降下・電圧変動率改善・送電容量・安定度の増進などの効果があります。

「直列リアクトルを設置」は誤りです。

選択肢3. 発電機に速応励磁方式を採用する。

負荷変動に対し、発電機の励磁電流を素早く調整し、回転数を変化させて周波数を維持します。発電機の速応励磁PSS(Power System Stabilizer)を導入します。

選択肢4. 高速度保護リレー方式を採用する。

事故があったときに、事故区間を切り離して事故区間を限定化して影響をなくすために、高速度保護リレーを採用します

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