1級電気工事施工管理技士の過去問
令和3年度(2021年)
午前 ロ 問43
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和3年度(2021年) 午前 ロ 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
電気鉄道におけるカテナリ式電車線路のセクション(区分装置)に関する記述として、不適当なものはどれか。
- セクションオーバとは、セクションの両側を集電装置で短絡することをいう。
- セクションオーバによる事故では、集電装置の損傷や温度上昇により電車線が断線する場合がある。
- セクションオーバによる障害が発生しない措置を講じていない場合、電気機関車や電車が常時停車する区域にはセクションを設けてはならない。
- セクションオーバは、列車長以上のデッドセクション(無電圧区間)においても発生する。
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この過去問の解説 (3件)
01
カテナリ式電車線路とは、吊架線(上段)とトロリー線(下段)の2段構成で、電車はトロリー線からパンダグラフで給電されます。
電車線路は、電車区間に点在する変電所ごとに給電区間を区切られていることで、セクション(区分装置)は、それぞれの変電所区間の両端にあって、セクション区間の電線同士が接触しないような構造となっています。電線同士が接触すると、変電所AとBが短絡してしまいます。
セクションオーバーとは、電車がセクションに長時間停車することで、パンダグラフを介して、電線同士が短絡状態になることです。
1は、正しい。集電装置=パンダグラフ。
2は、正しい。短絡電流によるジュール熱で電車線が過熱されます。
3は、正しい。電車と線路は、走行中のような短時間であれば、セクションオーバーに耐えられる仕様になっていますが、停車する場合は、耐えられません。
4は、間違い。デッドセクションは、上記のセクションとは異なり、鉄道会社が切り替わる区間、直流と交流が切り替わる区間などに設置される、無電圧の区間です。したがって、短絡は発生しません。
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02
電気鉄道で採用されているカテナリ式電車線路の、セクション(区分装置)に関する問題です。
〇 正しいです。
変電所を挟んで電車が停止したとき、片側の変電所だけが停電している場合、電車のパンタグラフを通して通電し、電気的に区分するセクション両側が電気的に接続され短絡の状態となることです。
〇 正しいです。
短絡電流は、パンタグラフと電車線を通して大地に大電流が流れるため、電車線はジュール熱で加熱して断線し、パンタグラフは破損する可能性があります。
〇 正しいです。
「電車線は、断線又は感電を防止するため、電車が常時停車する区域には区分は設けない」と、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」第43条(電車線の絶縁区分)に規定されています。
セクションオーバの対策には、セクションオーバを検知したときは、セクション間のき電側回線と対抗側回線との遮断器を開放します。
× 誤りです。
列車がデッドセクションに有れば、電源の掛かる要因がないため、セクションオーバは起こりません。
<参考>
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準」第43条に、セクションオーバを起こらないようにする対策が規定されています。
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03
電気鉄道におけるカテナリ式電車線路のセクション(区分装置)に関する問題です。
〇 正しいです。
ふたつの変電所が短絡状態になります。
〇 正しいです。
短絡による大電流が流れるため、大きな事故になります。
〇 正しいです。
✕ 誤りです。
無電圧なので、短絡は発生しません。
通常走行時には、短時間のセクションオーバーが発生しますが、短時間なので問題ありません。
セクションをまたいで停車すると事故につながります。
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