1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 イ 問2

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 イ 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

図に示す、平均磁路長L〔m〕、断面積S〔m2〕、透磁率μ〔H/m〕の環状鉄心に、巻数N1、N2の2つのコイルがあるとき、両コイル間の相互インダクタンスM〔H〕を表す式として、正しいものはどれか。ただし、漏れ磁束はないものとする。
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この過去問の解説 (3件)

01

【解き方】

相互インダクタンスの単位は(H)なので、

選択肢の単位が(H)になるもので絞り込めます。

(1)は(H)

(2)は(m^2/h)

(3)は(1/H)

(4)は(H/m^2)

となり、この問題では(1)だけに絞り込めます。

【解説】

相互インダクタンス M:一次コイルと二次コイルの相互間の比例定数

発生する起電力の大きさは、コイルの形状、大きさ、相互の位置などによる比例定数 M によります。

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02

相互インダクタンスの問題です。

相互インダクタンスとは、両コイルの結びつきの深さを表す定数です。

そうして考えていくと、

・平均磁路長が長いほど、相互インダクタンスは小さくなる。

・断面積が大きいほど、相互インダクタンスは大きくなる。

・透磁率が大きいほど、相互インダクタンスは大きくなる。

・巻き数が大きいほど、相互インダクタンスは大きくなる。

となります。

選択肢1. 解答選択肢の画像

〇 正しいです。

冒頭に述べたとおり、

断面積、透磁率、巻き数が分子になり、

平均磁路長が分母になることがわかります。

この条件を満たすのは1だけです。

選択肢2. 解答選択肢の画像

✕ 誤りです。

選択肢3. 解答選択肢の画像

✕ 誤りです。

選択肢4. 解答選択肢の画像

✕ 誤りです。

まとめ

公式を覚えていなくても、式の意味を理解していれば正解にたどり着くことができます。

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03

一次コイルに電流 I1 [A]を流すと、磁路には磁束 φ [Wb]が生じます。

φ = μ S N1 I1 / L

Δt 秒間に 電流が ΔI1 変化し、磁束が Δφ 変化したとすると、二次コイルの生じる誘導起電力 e2 [V]は、

e2 = -N2× Δφ/Δt = - μ S N1 N2/L × ΔI1/Δt

となります。

e2 =- M ×ΔI1/Δt

ですから、2つの式から、M(相互インダクタンス)を求めると、次式となります。

M = μ S N1 N2/L [H]

選択肢1. 解答選択肢の画像

〇 正解です。

選択肢2. 解答選択肢の画像

× 誤りです。

選択肢3. 解答選択肢の画像

× 誤りです。

選択肢4. 解答選択肢の画像

× 誤りです。

まとめ

<参考>

計算の初めに、

φ = μ S N1 I1 / L

と、磁束の式が出てきました。

磁束φが生じる元となる起磁力Fは、F=N I で、Nは巻き数、Iは電流です。

磁気抵抗Rmは、磁気回路のオームの法則から、

Rm=L/μS

となります。

磁束は、次の式です。

φ=F/Rm=N I/(L/μS)=μSNI/L

本問題では、式を導出している時間はありませんので、相互インダクタンスの式の形(正確でなくとも構いません)を覚えておけば、解答が得られます。

少なくとも、磁束を表すのに、μとSが、μSとなっていない式は、誤りです。

すると、式はまったく逆の2式になります。

そうすると、L=M×μS・・・の式は、意味があるとは思えません。

結果は、残った1つの式だけで、それが正解になります。

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