1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 イ 問7

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 イ 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

単相変圧器の百分率電圧変動率の近似値ε〔%〕を求める式として、適当なものはどれか。
ただし、pは百分率抵抗降下、qは百分率リアクタンス降下、cosθは力率とする。
  • ε =pcosθ + qsinθ〔%〕
  • ε =psinθ + qcosθ〔%〕
  • ε =3(pcosθ + qsinθ)〔%〕
  • ε =3(psinθ + qcosθ)〔%〕

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この過去問の解説 (3件)

01

変圧器の2次端子に定格力率において定格電流となるような負荷を接続し、その端子電圧が2次定格電圧V2nになるように1次電圧を与え、1次電圧を一定に保ったまま無負荷にしたときの2次電圧をV20とすると

電圧変動率ε = (V20ーV2n)/V2n

となります。

端折って説明すると、定格運転時の変圧器があって、急に無負荷にしたときに、2次側電圧はどれだけ変動するかを表しています。

pの抵抗降下は、変圧器の内部インピーダンスの抵抗成分、

qのリアクタンス降下は、変圧器の内部インピーダンスのリアクタンス成分です。

正確な計算は、参考書を参照ください。

直感的に選択肢から選ぶならば、電圧降下(上昇)のことなので、

ΔV=I×Z

 =I(cosθ - jsinθ)×(r+jx)

 =I(rcosθ+xsinθ)+j(xcosθ-rsinθ)

という式から、pcosθ+qsinθを選ぶことになると思います。

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02

単相変圧器の百分率電圧変動率の近似値の問題です。

単相変圧器なので、選択肢の3と4は誤りだろうという予測ができます。

選択肢1. ε =pcosθ + qsinθ〔%〕

〇 正解です。

選択肢2. ε =psinθ + qcosθ〔%〕

✕ 誤りです。

選択肢3. ε =3(pcosθ + qsinθ)〔%〕

✕ 誤りです。

選択肢4. ε =3(psinθ + qcosθ)〔%〕

✕ 誤りです。

まとめ

複雑な計算になるため、これは公式として覚えるより他にありません。

参考になった数5

03

電圧変動率は、定格周波数で指定した力率で定格負荷を加え、二次電圧を定格値 V2nに維持するように一次電圧を調整し、無負荷にしたときに二次電圧を V20 とするときの電圧変動率です。これをεで表すと、

   V20 - V2n

ε =―――――― ×100 [%]

     V2n

となります。

二次側に換算した巻線抵抗を R21、二次側に換算した漏れリアクタンスを X21 とすると、

V20 = √((V2n+R21 I2n cosθ +X21 I2n sinθ)2 + (X21 I2n cosθ - R21 I2n sinθ)2)

となって、式の中の (〇-△)2 の部分は、微小となるため、無視できます。

V20 の近似式は、

V20 = V2n+R21 I2n cosθ +X21 I2n sinθ

となります。εは、上の式から、次のようになります。

   V20 - V2n         R21 I2n cosθ  X21 I2n sinθ

ε =――――――×100 [%] = (―――――― + ――――――)×100%

     V2n            V2n      V2n 

= p cosθ + q sinθ [%]

ここで、p は抵抗降下(抵抗による電圧の降下割合)、q はリアクタンス降下です。

選択肢1. ε =pcosθ + qsinθ〔%〕

〇 正解です。

選択肢2. ε =psinθ + qcosθ〔%〕

× 誤りです。

選択肢3. ε =3(pcosθ + qsinθ)〔%〕

× 誤りです。

選択肢4. ε =3(psinθ + qcosθ)〔%〕

× 誤りです。

まとめ

解説では ε を求める式を羅列しましたが、実際の問題で計算式を展開する余裕はないため、このようにして近似式ができるくらいに、参考でざっと見すれば良いでしょう。

近似式は、cosとsinの位置を覚えておけば、今回の選択肢であれば、すぐ思い出せるでしょう。

参考になった数4