1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 イ 問10
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 イ 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
変電所の変圧器の中性点接地方式において、非接地方式と比較した直接接地方式の特徴に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1線地絡時の保護継電器の動作が確実である。
- 1線地絡時の電磁誘導障害が小さい。
- 1線地絡時の健全相の電圧上昇が小さい。
- 変圧器の巻線の絶縁を軽減することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
直接接地方式とは、3相の中性点を接地する方式です。
地絡事故時には、接地線~導線~地絡点~大地~接地線の回路によって、事故電流が流れます。このとき、中性点の電位は接地によって、上昇しません。
また、事故電流が大きくなる半面、リレーで検出しやすいため、短時間で遮断器を動作させて、事故の影響を最小限にします。
一方、非接地方式は、中性点を接地しない方式です。
地絡事故時の事故電流は小さくなりますが、中性点の電位が上昇し、回路全体の電位が上昇することで、回路または機器の絶縁に影響を与えやすくなります。また、事故電流が小さいので、検出がしにくくなります。
よって、正解は2です。
電磁誘導障害は、電流が大きいと、障害が大きくなります。
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02
変電所の変圧器の中性点接地方式に関する問題です。
〇 正しいです。
地絡電流が大きくなるため、検出が容易になります。
✕ 誤りです。
地絡電流が大きくなるため、電磁誘導障害も大きくなります。
〇 正しいです。
中性点の電位が上昇しないため、健全相の電圧上昇も小さくなります。
〇 正しいです。
地絡事故の検出精度が高まり、電圧上昇も抑えられるので、
変圧器の巻線の絶縁を軽減することができます。
中性点を設置すれば、大きな地絡電流が流れ、
非接地にすれば、地絡電流が流れません。
回路の絶縁を維持する事が充分可能な場合は非接地式を採用します。(例:高圧配電線)
回路の絶縁を維持する事が難しい場合は、直接接地式を採用します。(例:低圧回路)
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03
変電所の変圧器の中性点接地方式には、非接地方式、直接接地方式、抵抗接地方式、消弧リアクトル接地方式があります。
中性点接地方式のうち、非接地方式と直接接地方式の特徴の比較の問題です。
〇 正しいです。
非接地方式 直接地方式
保護継電器の動作――――――――――――――――――――
難しい 確実に作動
× 誤りです。
非接地方式 直接地方式
1線地絡時の電磁誘導障害―――――――――――――――――――――
小さい 大きい
〇 正しいです。
非接地方式 直接地方式
地絡時の健全相の――――――――――――――――――――――
電圧上昇
大きい 小さい
長距離伝送では ほとんど変わらない
異常電圧が生じる
〇 正しいです。
非接地方式 直接地方式
巻線の絶縁軽減――――――――――――――――――――――――
絶縁レベルは高い 絶縁レベルは低い
全絶縁 低減絶縁可能
段絶縁も可能
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