1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 ロ 問33

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 ロ 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

高圧受電用過電流継電器に関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 限時要素の動作電流の整定値は、契約電力に比例し、変流器(CT)の一次電流に反比例する。
  • 限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。
  • 瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。
  • 瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される。

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この過去問の解説 (3件)

01

選択肢4の

瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される。

は、

瞬時要素は短絡保護用に適用され、限時要素は過負荷保護用に適用される。

が正しいです。

(参考)

瞬時要素:きわめて短時間の動作に対する条件、緊急を要する要素。短絡は短時間で影響が拡大するので、早期検出と早期対応が必須。

限時要素:検出から一定時間をおいての動作に対する条件、検出してから一定時間の様子を見て、それでもしきい値を超えている場合に動作。過負荷は、短絡ほど短時間で影響が拡大する場合は少なく、短時間で通常状態に復帰すればわざわざ動作する必要はない場合もある。

正解は4です。

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02

高圧受電用過電流継電器(OCR)の動作についての問題です。

選択肢1. 限時要素の動作電流の整定値は、契約電力に比例し、変流器(CT)の一次電流に反比例する。

〇 正しいです。

限時要素は短絡事故窓の瞬時的な大電流を保護するものではなく、負荷の同時運転や過負荷から起こる過電流から設備を保護するものです。

限時要素の動作電流の整定値は、契約電流には比例し、負荷電流が大きくなるに従って、動作時間が短くなる、電流値と動作時間が反比例する特性(反減時特性)を持っています。

選択肢2. 限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。

〇 正しいです。

限時要素の動作時間の整定では、電力会社の過電流継電器が働く前に、需要家側の過電流継電器が働かないと、地域の停電につながるため、電力会社の配電用変電所との保護協調は重要です

選択肢3. 瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。

〇 正しいです。

瞬時要素は、一定の電流以上で動作し、電流値によらず瞬時に動作する特性です。

短絡事故のような大電流で確実に動作させるためには、変圧器や電動機の突入電流で動作しないように設定が必要です

選択肢4. 瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される。

× 誤りです。

これまでの選択肢で解説したように、瞬時要素は短絡保護用に適用され、限時要素は過負荷保護用に適用されます。

問題文は逆に記述されていて、誤りです

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03

高圧受電用過電流継電器に関する問題です。

選択肢1. 限時要素の動作電流の整定値は、契約電力に比例し、変流器(CT)の一次電流に反比例する。

〇 正しいです。

限時要素は、過負荷防止の為に設置されるものなので、契約電力に比例し、

変流器(CT)の一次電流に反比例します。

選択肢2. 限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。

〇 正しいです。

波及事故を防ぐためには、電力会社の保護継電器よりも先に動作する必要があります。

選択肢3. 瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。

〇 正しいです。

変圧器の励磁突入電流は、瞬間的に大きな電流が流れますが、これは事故では

ないので、動作してはいけません。

選択肢4. 瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される。

✕ 誤りです。

反対です。

瞬時要素は短絡保護用に適用され、限時要素は過負荷保護用に適用されます。

まとめ

過電流には、過負荷過電流と短絡過電流があり、それぞれ性質が違うため、

過電流継電器には2種類の保護設定値を設定します。

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