1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午前 ロ 問47

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午前 ロ 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

高速電力線通信(HD-PLC)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、PLCアダプタは、単相3線式の100V回路のコンセントに接続して使用するものとする。
  • 配線に高周波信号を重畳して通信を行う通信方式である。
  • 配線に重畳したノイズが、通信速度に影響を与える場合がある。
  • 配線から電磁波が漏洩する。
  • 同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて、信号が減衰しやすい性質がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

高速電力線通信(PLC:Power Line Communication)とは、既存の電源線を通信回線として利用する通信方式です。

屋内配線で用いられる単相3線式の電源線では、 位相が反転した2種類の100Vの相が使用されます。

PLC機器はその同相、異相に関係なく接続されるため、通信性能は使用するコンセントによって大きく異なり、異相コンセント間では場合により十分な通信速度が確保できないという問題があります。

選択肢4. 同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて、信号が減衰しやすい性質がある。

信号の減衰について、同相>異相としているので不適当です。

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02

高速電力線通信(HD-PLC)に関する問題です。

選択肢1. 配線に高周波信号を重畳して通信を行う通信方式である。

〇 正しいです。

高速電力線通信は、交流周波数(50~60 Hz)に短波帯(2~30MHz)に変調した信号を、低電圧にして重畳し、送信する通信方式です。

選択肢2. 配線に重畳したノイズが、通信速度に影響を与える場合がある。

〇 正しいです。

電力線へ重畳する電気ノイズは、通信速度を低下させることがあります。

選択肢3. 配線から電磁波が漏洩する。

〇 正しいです。

電力線に、高速電力線通信信号を流すと、電力線から電磁波が漏れ出すことがあります。漏れた電磁波で、無線通信に影響を及ぼします。

電磁波が漏れる原因の一つは、電力線に高周波を重ね合わせることで、漏えい電磁波が発生します。

選択肢4. 同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて、信号が減衰しやすい性質がある。

× 誤りです。

分電盤から2系統(L1相とL2相)が配線され、それぞれの系統にコンセントがつながっている場合を想定します。

同相間回路は、コンセントが同じ系統で同じ分電盤ブレーカーに接続されている場合です。

異相間回路は、それぞれのコンセントが異なる系統につながっている場合です。

同相間回路のPLC通信は、異相間回路のPLC通信と比べると、異相間回路の方が信号が減衰しやすくなる性質があります。

したがって、問題文の、「同相配線間の通信」と「異相配線間の場合」とは、逆になり、誤りです。

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03

高速電力線通信(HD-PLC)に関する問題です。

高速電力線通信とは、屋内コンセント回路に高周波、定電圧の信号電流を重ねて、

屋内LANなどの通信を行うものです。

選択肢1. 配線に高周波信号を重畳して通信を行う通信方式である。

〇 正しいです。

選択肢2. 配線に重畳したノイズが、通信速度に影響を与える場合がある。

〇 正しいです。

屋内コンセント回路にはノイズ源となる機器が接続されている可能性があり、

その影響を受けて、通信速度が遅くなる場合があります。

選択肢3. 配線から電磁波が漏洩する。

〇 正しいです。

屋内コンセント回路の配線に高周波電流が流れるため、そこから電磁波が発生します。

選択肢4. 同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて、信号が減衰しやすい性質がある。

✕ 誤りです。

通常の家庭用配線は単相3線式になっています。

同相どおしのコンセント間の方が、信号が減衰しにくくなります。

まとめ

高速電力線通信は、新たな配線工事を行わずに屋内LANを構築できるメリットがありますが、近年では無線LANも登場しています。

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