1級電気工事施工管理技士の過去問
令和5年度(2023年)
午前 イ 問15
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年) 午前 イ 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
三相誘導電動機に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 滑りは、同期速度を、同期速度と回転子速度との差で除した値となる。
- 二次回路の抵抗値と滑りが比例するならば、トルクは一定である。
- 負荷のトルクが停動トルク以上になると、電動機は停止する。
- 電動機の実測効率は、電動機出力を電動機入力で除した値となる。
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この過去問の解説 (3件)
01
三相誘導電動機に関する問題です。
×
Ns:同期速度
N:回転速度
s:すべり
とすると、すべりは次のように表されます。
s=(Ns-N)/Ns
したがって、同期速度と回転子速度との差を、同期速度で除した値が正しい文です。
〇
トルクTは、r2‘/s が一定であれば同じ大きさになるため、二次回路の抵抗値と滑りが比例するならばトルクは一定となります。
r2‘は、二次回路を等価回路としたときの二次回路の抵抗です。
〇
トルクが最大値(停動トルク)では、モータが一定電圧・一定周波数で出せる最大のトルクなので、このトルク以上の負荷になるとモータが停止します。
〇
電動機効率ηは、η=P0/P1 で表されます。
電動機出力(P0)を電動機入力(P1)で除した値です。
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02
三相誘導電動機の基本原理と動作特性に関する知識が問われています。
不適切です。
滑りは、以下の式の通り、同期速度と回転子速度の差を同期速度で割った値です。
s = (Ns − Nr)/ Ns
s は滑り
Ns は同期速度
Nr は回転子の実際の速度
適切です。
二次回路(回転子回路)の抵抗値が滑りと比例する場合、電動機のトルクは一定に保たれます。
この特性を比例推移といいます。
適切です。
停動トルクは、電動機が始動するために必要な最大トルクです。
これを超える負荷がかかると、電動機は動作を続けられません。
適切です。
電動機の性能を評価するうえで基本的な計算方法です。
三相誘導電動機に関連する基本的な概念(滑り、トルク、停動トルク、効率)を正確に理解しておきましょう。
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03
三相誘導電動機に関する問題です。
✕ 誤りです。
滑り=(同期速度-回転速度)/同期速度
です。選択肢の記述は、分子・分母が逆になっています。
〇 正しいです。
この選択肢は、逆の言い方をすると、トルク(=負荷)を一定とすると、
滑りと二次回路の抵抗値が比例するということです。
これを、比例推移といい、巻き線型誘導電動機の始動制御に
利用される性質です。
〇 正しいです。
通常の籠型電動機では、起動トルクは停動トルクよりも低くなります。
〇 正しいです。
損失があるため、電動機出力は電動機入力よりも必ず小さくなりますので、
実行効率は1以下になります。
滑りの式からわかるように、誘導電動機では、起動時は滑りは1です。
また、同期速度では滑りは0になります。
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