1級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)
問9 (午前 ロ 問3)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年) 問9(午前 ロ 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

電力系統における短絡容量の軽減対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 変電所の母線を分離する。
  • 送電線に限流リアクトルを設置する。
  • 直流連系により交流系統を分割する。
  • 低インピーダンスの変圧器を採用する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当な記述は、低インピーダンスの変圧器を採用するです。低インピーダンスの変圧器を採用すると、短絡電流が増加し、短絡容量が大きくなるため、短絡容量の軽減には適していません。

選択肢1. 変電所の母線を分離する。

変電所の母線を分離する:母線を分離することで、短絡容量を軽減することができます。

選択肢2. 送電線に限流リアクトルを設置する。

送電線に限流リアクトルを設置する:限流リアクトルを設置することで、短絡電流を制限し、短絡容量を軽減することができます。

選択肢3. 直流連系により交流系統を分割する。

直流連系により交流系統を分割する:直流連系を利用して交流系統を分割することで、短絡容量を軽減することができます。

選択肢4. 低インピーダンスの変圧器を採用する。

低インピーダンスの変圧器を採用すると、短絡時の電流が増加し、短絡容量も大きくなるため、短絡容量の軽減対策としては不適当です。

まとめ

短絡容量の軽減対策

変電所の母線を分離する:母線を分離することで、短絡容量を軽減することができます。

送電線に限流リアクトルを設置する:限流リアクトルを設置することで、短絡電流を制限し、短絡容量を軽減することができます。

直流連系により交流系統を分割する:直流連系を利用して交流系統を分割することで、短絡容量を軽減することができます。

 

低インピーダンスの変圧器の影響

短絡電流の増加:低インピーダンスの変圧器を採用すると、短絡時に流れる電流が増加します。これは、内部抵抗が小さいため、電流が流れやすくなるからです。

短絡容量の増加:短絡電流が増加することで、短絡容量も増加します。短絡容量が大きくなると、電力系統における保護装置や機器に対する負荷が増加し、故障時の影響が大きくなります。

 

問題の解き方のポイント

問題文をよく読み、各対策の効果を正確に把握する。

低インピーダンスの変圧器が短絡容量の軽減に適していないことを理解する。

他の対策がどのように短絡容量を軽減するかを理解する。

参考になった数75

02

短絡容量を軽減する目的は、短絡事故時に流れる短絡電流を抑制することです。

これにより、遮断器やその他の機器への負担を減らし、系統の安定性を保ちます。

選択肢1. 変電所の母線を分離する。

変電所の母線を分離する

母線を分離すると、系統全体の接続が弱まり、事故が発生したときに

電流が流れる範囲が限定されます。

これにより、短絡容量を小さくできます。

選択肢2. 送電線に限流リアクトルを設置する。

送電線に限流リアクトルを設置する

限流リアクトルは、回路のインピーダンスを増加させることで、短絡電流を抑制します。

これは短絡容量の軽減に有効です。

選択肢3. 直流連系により交流系統を分割する。

直流連系により交流系統を分割する

直流連系(HVDC)は、交流系統を電気的に切り離す役割を果たします。

これにより、一方の系統で事故が起きても他方の系統に影響が及ぶのを防ぎ、

短絡容量を分割・抑制できます。

選択肢4. 低インピーダンスの変圧器を採用する。

低インピーダンスの変圧器を採用する

インピーダンスが低いと、回路の電流に対する抵抗が小さくなります。

その結果、短絡事故時に流れる電流が増加してしまうため、短絡容量を軽減する対策としては不適切です。

短絡容量を軽減するには、高インピーダンスの変圧器を採用する必要があります。

まとめ

電力系統における短絡容量の軽減対策

 

電力系統で短絡事故が起きると、非常に大きな電流(短絡電流)が流れます。この短絡電流を抑制し、機器への負担を減らすための対策を「短絡容量の軽減対策」といいます。

 

適当な対策(短絡電流を減らす方法)

 

系統のインピーダンスを増やす: インピーダンスとは、電流の流れを妨げる抵抗のようなものです。これが大きいほど、流れる電流は小さくなります。

限流リアクトルを設置する。

高インピーダンスの変圧器を採用する。

系統を電気的に分割する: 系統全体が一つに繋がっていると、事故時に大きな電流が集中してしまいます。

変電所の母線を分離する。

直流連系により交流系統を分割する。

 

不適当な対策(短絡電流を増やしてしまう方法)

 

インピーダンスを下げること:

低インピーダンスの変圧器を採用する。これは短絡電流を増やしてしまうため、短絡容量の軽減対策としては不適切です。

参考になった数1