1級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)
問8 (午前 ロ 問2)

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問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年) 問8(午前 ロ 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

変電所に用いられる保護継電器に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 過電流継電器は、電流が整定値以上になった場合に動作するもので、短絡事故又は過負荷の検出に用いられる。
  • 不足電圧継電器は、電圧が整定値以下になった場合に動作するもので、短絡事故又は停電の検出に用いられる。
  • 比率差動継電器は、保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので、主に外部事故から機器を保護するために用いられる。
  • 距離継電器は、電圧と電流の比によって動作するもので、主に送電線保護用として用いられる。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当な記述は、比率差動継電器に関するものです。比率差動継電器は、保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので、主に内部事故から機器を保護するために用いられます

選択肢1. 過電流継電器は、電流が整定値以上になった場合に動作するもので、短絡事故又は過負荷の検出に用いられる。

過電流継電器:電流が整定値以上になった場合に動作し、短絡事故や過負荷の検出に用いられます。

選択肢2. 不足電圧継電器は、電圧が整定値以下になった場合に動作するもので、短絡事故又は停電の検出に用いられる。

不足電圧継電器:電圧が整定値以下になった場合に動作し、短絡事故や停電の検出に用いられます。

選択肢3. 比率差動継電器は、保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので、主に外部事故から機器を保護するために用いられる。

比率差動継電器 : 保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので、主に内部事故から機器を保護するために用いられます

 

まとめ

保護継電器の種類と役割

過電流継電器:電流が整定値以上になった場合に動作し、短絡事故や過負荷の検出に用いられます。

不足電圧継電器:電圧が整定値以下になった場合に動作し、短絡事故や停電の検出に用いられます。

比率差動継電器:保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作し、主に内部事故から機器を保護するために用いられます。

距離継電器:電圧と電流の比によって動作し、主に送電線保護用として用いられます。

 

比率差動継電器の理解

内部事故の保護:比率差動継電器は、保護区間内での内部事故を検出し、機器を保護するために使用されます。外部事故ではなく、内部事故に対して動作する点が重要です。

 

各継電器の動作条件

過電流継電器:電流が設定値を超えたときに動作。

不足電圧継電器:電圧が設定値を下回ったときに動作。

比率差動継電器:保護区間内の電流差に基づいて動作。

距離継電器:電圧と電流の比に基づいて動作。

 

問題の解き方のポイント

問題文をよく読み、各継電器の役割と動作条件を正確に把握する。

比率差動継電器が内部事故に対して動作することを特に注意して覚える。

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02

変電所の保護継電器は、電気回路に異常が発生した際に、それを検知して自動的に回路を遮断し、機器や電力系統を保護する装置です。

これにより、事故の拡大を防ぎ、安定した電力供給を維持します。

選択肢1. 過電流継電器は、電流が整定値以上になった場合に動作するもので、短絡事故又は過負荷の検出に用いられる。

適切です。

過電流継電器は、線路を流れる電流が設定された値を超えたときに動作し、回路を遮断します。

これは、短絡(ショート)や過負荷といった事故を検出するために使われます。

選択肢2. 不足電圧継電器は、電圧が整定値以下になった場合に動作するもので、短絡事故又は停電の検出に用いられる。

適切です。

不足電圧継電器は、電圧が設定された値を下回ったときに動作します。

これにより、停電や、短絡事故によって電圧が極端に低下した場合を検出できます。

選択肢3. 比率差動継電器は、保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので、主に外部事故から機器を保護するために用いられる。

不適当です。

比率差動継電器は、保護区間に流入する電流と流出する電流の差が、一定の比率を超えた場合に動作します。

これは、変圧器や母線などの保護区間内部で発生した事故(内部事故)を検出するために用いられます。

 

外部で発生した事故の場合、流入電流と流出電流はほぼ同じになるため、この継電器は動作しません。

選択肢4. 距離継電器は、電圧と電流の比によって動作するもので、主に送電線保護用として用いられる。

適切です。

距離継電器は、電圧と電流の比(すなわちインピーダンス)が設定値以下になったときに動作します。

インピーダンスは事故点までの距離にほぼ比例するため、主に送電線の保護に用いられます。

まとめ

主な保護継電器の種類と役割

 

変電所では、保護対象や事故の種類に応じて、さまざまな保護継電器が使われています。

 

過電流継電器: 電流が設定値より大きくなったときに動作します。短絡事故や過負荷を検出します。

 

不足電圧継電器: 電圧が設定値より低くなったときに動作します。停電や短絡事故による電圧低下を検出します。

 

比率差動継電器: 保護区間(変圧器、母線など)の内部で発生した事故を検出します。

流入する電流と流出する電流の差が一定の比率を超えた場合に動作します。

 

距離継電器: 送電線の保護に特化しています。電圧と電流の比(インピーダンス)から事故点までの距離を推定し、設定値よりインピーダンスが低くなった場合に動作します。

 

変電所の主な保護継電器の種類と役割をしっかり覚えておきましょう。

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