2級電気工事施工管理技士の過去問
令和3年度(2021年)後期
2 問19

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和3年度(2021年)後期 2 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

架空送電線路の塩害対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • がいし連にアークホーンを取り付ける。
  • 懸垂がいしの連結個数を増加する。
  • がいしの表面にシリコンコンパウンドを塗布する。
  • 長幹がいしやスモッグがいしを採用する。

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この過去問の解説 (3件)

01

架空送電線路の塩害対策としては、懸垂がいし、スモッグがいしおよび長幹がいしの採用、シリコンコンパウンドの塗布、複数のがいしの連結などが挙げられます。

がいしに塩分が付着しにくくすること、付着してもある程度の絶縁性を維持できること、塩分を除去できることが重要です。

選択肢1. がいし連にアークホーンを取り付ける。

アークホーンは、がいしの両端に取り付けて使用するものです。

落雷時に生じる電流がアークホーンを通ることで、がいしの破壊を防止します。

塩害とは関係がありませんので、誤りです。

選択肢2. 懸垂がいしの連結個数を増加する。

懸垂がいしを複数連結することで、塩分が付着しても絶縁性を維持することが可能となります。正しいです。

選択肢3. がいしの表面にシリコンコンパウンドを塗布する。

シリコンコンパウンドががいしの表面に塗布されることで、雨水を受けても絶縁性を維持することが可能となります。正しいです。

選択肢4. 長幹がいしやスモッグがいしを採用する。

長幹がいしやスモッグがいしでは雨洗効果があり、付着した塩分を雨水で洗い流すことが可能です。正しいです。

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02

架空送電線路の塩害対策に関する問題です。

選択肢1. がいし連にアークホーンを取り付ける。

記載内容は誤りです。

アークホーンは、がいし沿面でフラッシオーバーが発生しないよう、がいしの両端に設ける電極で、がいしを保護するものです。

選択肢2. 懸垂がいしの連結個数を増加する。

記載内容は正しいです。

がいしの連結個数を増加することで、表面漏れ距離が長くなり、絶縁が強くなります。

選択肢3. がいしの表面にシリコンコンパウンドを塗布する。

記載内容は正しいです。

シリコンパウンドなどの撥水性のものをがいしに塗ることで、汚損しにくくなります。

選択肢4. 長幹がいしやスモッグがいしを採用する。

記載内容は正しいです。

長幹がいしやスモッグがいしは汚損に対して強いです。

まとめ

海や工場等に近いなど、がいしが汚損しやすい場所については、耐塩がいしの採用について検討します。

参考になった数3

03

塩害とは、がいしの表面に塩分・ちり・ホコリが付着し、雨や霧による湿気によって、がいし表面の絶縁低下が起こり、フラッシュオーバーを起こすことです。フラッシュオーバーとは、異常電圧が侵入したときがいしが短絡されることです。

塩害対策には、次のような対策があります

・ がいしの連結個数を増やすことで、過絶縁とします。

・ がいしに撥水性のシリコンパウンドを塗りつけます。これは微細なごみを包み込む効果があります。

・ 汚れに強いスモッグがいし、雨による洗浄効果のある長幹がいし耐塩がいし、長い沿面距離の深溝がいし、などを使用します

・ 送配電線のルートから塩分が付着しないルートを選定します。

・ 活線洗浄や停電洗浄で、がいしを洗浄します。

・ 軽量でトラッキング性能に優れた材料を使ったポリマがいしを使います。

選択肢1. がいし連にアークホーンを取り付ける。

× 最も不適当です。

アークホーンは、雷サージによるがいしの仮想対策です。

選択肢2. 懸垂がいしの連結個数を増加する。

 適当な対策です。

選択肢3. がいしの表面にシリコンコンパウンドを塗布する。

 適当な対策です。

選択肢4. 長幹がいしやスモッグがいしを採用する。

 適当な対策です。

まとめ

がいしが劣化しているかどうかの検出には、ギャップ放電式、ネオン管式の検出器を取付けた劣化がいし検出器で検出します。劣化がいしの排除も塩害対策に貢献します。

参考になった数2