2級電気工事施工管理技士の過去問
令和3年度(2021年)後期
2 問26

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和3年度(2021年)後期 2 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

需要場所に施設する地中電線路に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。
ただし、地中電線路の長さは15mを超えるものとする。
  • 地中箱は、車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること。
  • 高圧地中電線と地中弱電流電線との離隔距離は、30cm以上確保すること。
  • 暗きょ内のケーブルを支持する金物類には、D種接地工事を省略できる。
  • 管路式で施設した高圧の地中電線路には、電圧の表示を省略できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

地中電線路は、架空電線路に比べて、火災・暴風・落雷・雪などによって、ケーブル事故を起こすことが少なくなるため、信頼のある配線方式です。

長さが15mを超える地中電線路について、特徴を整理してみましょう

・ ケーブルの敷設方式には、直接埋設・管路・暗きょの3つの方法があります。

・ ケーブルの引き入れ・引き出し・接続・分岐などの工事を行うために地中箱を設けます。地中箱は、工事が行いやすく、点検しやすい大きさとします。また、車両などの重量物が通ってもその圧力に耐える構造とします。

・ ケーブルには、高圧電線と弱電流電線が、並行して施設する場合がありますが、0.3 m以上の隔離距離を設けます。

・ 暗きょには敷設する数本のケーブルを支持板の上を通しますが、金属製の支持板には、D種接地工事を省略できます。

・ 布設長さが15 m以上の高圧の地中電線を、管路式か直接埋設で敷設するとき、次の項目を記述した表示を2 m間隔で表示します。

物件名称管理者名電圧が記述項目です。なお、他人が立ち入らない場所であれば、表示を省略できます。

選択肢1. 地中箱は、車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること。

 適切です。

選択肢2. 高圧地中電線と地中弱電流電線との離隔距離は、30cm以上確保すること。

 適切です。

選択肢3. 暗きょ内のケーブルを支持する金物類には、D種接地工事を省略できる。

 適切です。

選択肢4. 管路式で施設した高圧の地中電線路には、電圧の表示を省略できる。

× 不適切です。

高圧の地中埋設電線には、物件名称、管理者名、電圧を表示します。

長さが15m未満であれば、表示の省略が可能ですが、問題文に15 mを超えるとあるため、省略できません。

まとめ

<参考>

地中電線間の隔離距離は非常に細かく規定されているため、一部を紹介します。この隔離距離のいずれかが出題される可能性があります。

――――――――――――――――――――――――

       低圧線   高圧線  特別  弱電流線

                  高圧線

――――――――――――――――――――――――

低圧線    なし    0.15m  0.3m  0.3m

高圧線    0.15m   なし   0.3m  0.3m

特別高圧線  0.3m    0.3m   なし  0.6m

弱電流線   0.3m    0.3m   0.6m  なし

ガス管    なし    なし   1 m   なし

水道管    なし    なし   0.3m  なし

―――――――――――――――――――――――

今回の出題は、高圧線と弱電留線の隔離でしたが、同類のケーブル間も含めると30種類の問題が作れることになります。0.3mを中心、半分か倍という数値なので覚えやすいかもしれません。

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02

地中電線路による工事を行う際の条件としては、以下のものが挙げられます。

・地中箱は車両や重量物の圧力に十分耐えられること

・燃焼性及び爆発性のあるガスが侵入する恐れがある場合、ガスを放散させる装置を設けること

・ケーブルが弱電流電線や光ファイバーケーブル等と接近、交さする場合、隔離距離を30cm以上とし、距離の確保が困難な場合は、電線を管に収めるなどして、接触させないこと

・電圧を表示したシートを(ケーブルの埋設位置の上部に来るように)埋設する

選択肢1. 地中箱は、車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること。

正しいです。

選択肢2. 高圧地中電線と地中弱電流電線との離隔距離は、30cm以上確保すること。

正しいです。

選択肢3. 暗きょ内のケーブルを支持する金物類には、D種接地工事を省略できる。

正しいです。

選択肢4. 管路式で施設した高圧の地中電線路には、電圧の表示を省略できる。

電圧の表示は必ず行わなければならず、省略は一切できません。

誤りです。

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03

需要場所に施設する地中電線路に関する問題です。

選択肢1. 地中箱は、車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること。

正しいです。

電気設備の技術基準の解釈第121条(地中箱の施設)第一号に、「地中箱は、車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること。」と規定されています。

選択肢2. 高圧地中電線と地中弱電流電線との離隔距離は、30cm以上確保すること。

正しいです。

電気設備の技術基準の解釈第125条(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)第2項に、「地中電線が、地中弱電流電線等と接近又は交差して施設される場合は、次の各号のいずれかによること。」とあり、

第一号に、低圧又は高圧の地中電線と地中弱電流電線等の離隔距離を0.3m以上とることと規定されています。

選択肢3. 暗きょ内のケーブルを支持する金物類には、D種接地工事を省略できる。

正しいです。

電気設備の技術基準の解釈第123条(地中電線の被覆金属体等の接地)第1項に、「地中電線路の次の各号に掲げるものには、D種接地工事を施すこと。」と規定されています。

また、第2項で「次の各号に掲げるものについては、前項の規定によらないことができる。」とあり、第一号に「ケーブルを支持する金物類」と規定されています。

選択肢4. 管路式で施設した高圧の地中電線路には、電圧の表示を省略できる。

誤りです。

電気設備の技術基準の解釈第120条(地中電線路の施設)第2項に「地中電線路を管路式により施設する場合は、次の各号によること。」とあり、第二号「高圧又は特別高圧の地中電線路には、次により表示を施すこと。ただし、需要場所に施設する高圧地中電線路であって、その長さが15m以下のものにあってはこの限りでない。」と規定されています。

イ 物件の名称、管理者名及び電圧(需要場所に施設する場合にあっては、

  物件の名称及び管理者名を除く。)を表示すること

ロ おおむね2mの間隔で表示すること。ただし、他人が立ち入らない場所

  又は当該電線路の位置が十分に認知できる場合は、この限りでない。

と規定されています。

まとめ

15m以下のものであれば、表示は不要です。

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