2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問16 (2 問4)

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 問16(2 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

架空電線路の架空地線に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 電線への直撃雷を防止する効果がある。
  • 鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくする効果がある。
  • 誘導雷により電線に発生する異常電圧を低減する効果がある。
  • 送電線の地絡故障による通信線への電磁誘導障害を軽減する効果がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

架空地線は、送電線の上方に電線と平行に張って、鉄塔などの支持物ごとに接地した電線で、直撃雷の防止が主目的です。

選択肢1. 電線への直撃雷を防止する効果がある。

架空地線は電線への直撃雷を防止が目的です。

選択肢2. 鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくする効果がある。

架空地線を鉄塔に接続しただけでは、鉄塔の接地抵抗は小さくなりません。

架空地線の接地抵抗は10~20Ωにしますが、鉄塔には埋設地線や接地棒設置して抵抗を小さくして、電撃が架空地線から鉄塔、大地へと流入して雷から保護します。

選択肢3. 誘導雷により電線に発生する異常電圧を低減する効果がある。

誘導雷が電線にに進入するときには、架空地線の接地点で誘導雷とは逆向きの反射波が起こり、電線に進入した異常電圧を低減します。

選択肢4. 送電線の地絡故障による通信線への電磁誘導障害を軽減する効果がある。

架空地線が低い抵抗値で接地されているため、1線の地絡時には故障電流のシールド線として効果が出て、通信線への誘導障害を軽減します。

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02

電線と平行に張られている接地されている電線で、直撃雷の防止、誘導雷の低減、一線地絡時の通信線路への誘導障害を防止します。

選択肢1. 電線への直撃雷を防止する効果がある。

正となります。記述の通りです。

選択肢2. 鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくする効果がある。

誤りとなります。そのような効果はありません。

選択肢3. 誘導雷により電線に発生する異常電圧を低減する効果がある。

正となります。記述の通りです。

選択肢4. 送電線の地絡故障による通信線への電磁誘導障害を軽減する効果がある。

正となります。記述の通りです。

まとめ

良く出題される問題なので解けるようにポイントを暗記しましょう。

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03

架空電線とは、木柱や、鉄塔などの支持体によって、地上高く設置された電線です。

例としては、送電線、電話線、電気鉄道の架線が挙げられます。

架空地線とは、これら架空送電線のさらに上方に設置されたもので、下の送電線や配電線路を雷害から保護するために架設された接地線です。雷撃電流を大地に放電することで、送電線や配電線の溶断を防ぐ役割があります。

選択肢1. 電線への直撃雷を防止する効果がある。

上記の通りです。

選択肢2. 鉄塔の塔脚接地抵抗を小さくする効果がある。

上記に記載の通り、役割としては、雷撃を大地に放出することで、接地抵抗を小さくするものではありません。

従って、誤りです。

選択肢3. 誘導雷により電線に発生する異常電圧を低減する効果がある。

架空地線はその静電遮蔽効果で雷による誘導電圧を半減することができます。

選択肢4. 送電線の地絡故障による通信線への電磁誘導障害を軽減する効果がある。

送電線に地絡や短絡故障が発生すると、高電流が流れ、周囲に強い電磁場が発生します。

この電磁場が通信線に誘導電流を引き起こし、通信障害やノイズの原因となります。

架空地線は、この電磁誘導を軽減する役割を果たします。

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