2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問20 (2 問8)
問題文
高圧配電線路で一般的に採用されている中性点接地方式として、適当なものはどれか。
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問題
2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 問20(2 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
高圧配電線路で一般的に採用されている中性点接地方式として、適当なものはどれか。
- 抵抗接地方式
- 補償リアクトル接地方式
- 直接接地方式
- 非接地方式
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この過去問の解説 (3件)
01
変圧器中性点は、系統での地絡などの事故が起きたときに、過電圧の抑制と保護継電器の動作が確実に行うために、接地します。
接地の方式は、選択肢にあるような方式がありますが、それぞれ特徴があって、適した配電系統で使用されます。
不適
抵抗接地方式は100~1000Ωの抵抗を通して接地する方式で、誘導障害と地絡継電器の確実な動作を行うため、電位上昇が大きく、地絡電流も大きくなって、配電線路の制御には適しません。
一般的に、抵抗接地方式は、22~154kVの送電系統に用いられます。
不適
補償リアクトル接地方式は、地絡故障時の異常電圧発生防止の目的で、66~154kVの送電系統に用いられます。
不適
直接接地方式は、中性点を実抵抗値が0である導体で設置する場合を言います。
健全相の電圧上昇はほぼなく、異常電圧は他の方式より少なく、地絡電流が最大となり、保護継電器の動作が非常に早くなり、保安上有効です。
送電電力187kV以上の送電系統に用いられ、配電線路では使用できません。
適
変圧器がΔ―Δ結線回路では、中性点がないため、中性点接地をしない方式です。
非接地方式は、地絡電流が小さいため地絡検出が難しく、33kV以下の配電系統に用いられます。
なお、日本の配電系統の最大電圧は、6.6kVと決められているため、6.6kV以下の配電系統で使用されます。
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02
高圧配電線路で最も多く採用されている中性点接地方式は非接地方式となります。
誤りとなります。抵抗接地方式は、特別高圧の22kV~154kVにおいて最も一般的に広く採用されています。
誤りとなります。補償リアクトル接地方式は特別高圧の66kV~154kVの地中送電線に使用されています。
誤りとなります。直接接地方式は、特別高圧187kV以上の超高圧送電線路で用いられます。
正となります。主にΔ結線の変圧器を使用した、短距離の高圧配電線路で用いられます。
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03
高圧の送電線路では、様々な電気障害を発生させるため、中接点は、次の目的で接地されます。
①地絡事故による異常電圧の発生防止。
②地絡事故における、健全相の電圧上昇の対策。
健全相の電圧上昇とは、三相交流電力システムにおいて、一部の相が故障して接地や短絡が発生した場合に、故障していない他の相(健全相)の電圧が通常よりも高くなる現象を指す。
➂保護継電器の作動を確実にする。
22~154kVの送電線路に使用される方式です。
一般的に配電線路には採用されません。
又、抵抗設置方式は、1線の地絡電流は小さいものの、地絡時の健全相の電圧上昇が大きく、上記記載の②の目的に合致しません。
消弧リアクトル方式ともいいます。
154kVの高圧系の送電線路に用いられる方式です。
一般的に配電線路には採用されません。
消弧リアクトル方式は、地絡(1相が大地と接触する異常)が発生した場合に、地絡電流を最小化してアーク放電を抑制します。
直接接地方式は、220kV、275kV、500kVなどの超高圧系や、187kV以上の特別高圧系の送電線路で使用される方式です。
一般的に配電線路には採用されません。
直接、何も介さずに設置する方式で、地絡電流が大きくなる欠点もありますが、健全相の電圧上昇が最も小さい設置方式です。
低電圧短距離送電線路や、高圧配電線路で最も多く採用されています。
非接地方式は、電源用変圧器の中接点の1端子を接地しない配電方式で、地絡電流も小さく抑えられます。
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