2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問19 (2 問7)

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 問19(2 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

地中電線路における電力ケーブルの絶縁劣化の状態を測定する方法として、最も不適当なものはどれか。
  • 部分放電測定
  • 誘電正接測定
  • 接地抵抗測定
  • 直流漏れ電流測定

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この過去問の解説 (3件)

01

地中に埋設した電源ケーブルは時間とともに劣化してきますが、劣化状況はケーブル敷設の環境条件で変化します。

送電線が事故を発生する前に異常かどうかの状態を判断するのが、絶縁劣化測定法です。

選択肢1. 部分放電測定

直流や交流電圧が掛かった状態で、部分放電電荷量を測定し、絶縁状態を調べる方法です。

選択肢2. 誘電正接測定

シェーリングブリッジを使って絶縁物の誘電性正接(tanδ)を測定し、絶縁状態を調べる方法です。

シェーリングブリッジは、ホイートストンブリッジ回路に抵抗とコンデンサを組み込んだ回路です。

選択肢3. 接地抵抗測定

接地抵抗を調べても、ケーブルの劣化状況の判断はできません。

選択肢4. 直流漏れ電流測定

直流漏れ電流試験は、高圧ケーブルと遮蔽層の間に直流電圧を加え、漏れ電流が発生した時の値を時間特性に表して測定し、絶縁状態を調べる方法です。

CVケーブルの絶縁劣化の形態が水トリ―劣化の検出は残留電荷法と言いますが、活性診断ができない場合に、直流漏れ電流試験の方法を取ります。

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02

地中電線路における電力ケーブルの絶縁劣化の状態を測定する方法は以下の通りです。

誘電正接測定、絶縁抵抗測定、部分放電測定、直流漏れ電流測定などがあります。

選択肢1. 部分放電測定

正となります。解説の冒頭の通りです。

選択肢2. 誘電正接測定

正となります。解説の冒頭の通りです。

選択肢3. 接地抵抗測定

誤りとなります。接地抵抗値が既定の値以下かを調べるものです。

選択肢4. 直流漏れ電流測定

正となります。解説の冒頭の通りです。

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03

電気機器や電気絶縁材料の絶縁性能が時間経過や環境条件の影響によって劣化します。

絶縁劣化が進むと、機器の故障や安全性に問題が生じるため、絶縁状態のチェックは重要です。

選択肢1. 部分放電測定

ケーブル絶縁内での部分放電を測定する方法です。

局所的な絶縁劣化や内部の微小な欠陥を検出します。

非破壊検査で、局部の異常を早期に発見可可能です。

選択肢2. 誘電正接測定

誘電正接測定とは、絶縁物に交流電圧を印加して、その誘電正接(tanδ)を測定する試験です。

tanδとは、絶縁体に交流電場を加えたときに発生する誘電損失の度合いを表す数値です。

誘電損失とは、誘電体に交流電場を加えたときに、そのエネルギーの一部が熱となって失われる現象です。

誘電損失の度合いから、絶縁物の吸湿・ボイド・汚損の絶縁劣化の度合いを判定します。


 

選択肢3. 接地抵抗測定

接地抵抗測定は、絶縁劣化を発見することと関連性がありません。

従って、誤りです。

 

選択肢4. 直流漏れ電流測定

直流漏れ電流測定は、絶縁物に直流電流を印加して流れる漏れ電流を測定する試験です。

高圧ケーブルの導体と遮蔽層空間に直流電流をかけて、発生する漏れ電流値の時間特性を割り出します。

時間経過による漏れ電流の変化から吸湿、汚損、絶縁劣化の状態を判断します。

 

【補足】

遮蔽層空間とは、ケーブル内部における導体、絶縁体を覆っている(銅テープ)です。

外部からの光、音、熱、放射線を保護する役割があります。地絡、短絡事故等の検知に利用されます。


 

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