2級電気工事施工管理技士の過去問
令和5年度(2023年)後期
2 問11

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問題

2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和5年度(2023年)後期 2 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

屋内配線の電気方式として用いられる中性点を接地した単相3線式100/200Vに関する記述として、不適当なものはどれか。
  • 使用電圧が200Vであっても、対地電圧は100Vである。
  • 単相100Vと単相200Vの2種類の電圧が取り出せる。
  • 同一容量の負荷に供給する場合、単相2線式100Vに比べて電圧降下が小さくなるが、電力損失は大きくなる。
  • 3極が同時に遮断される場合を除き、中性線には過電流遮断器を設けない。

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この過去問の解説 (2件)

01

屋内配線の方式には、単相と三相がありますが、単相にも、2線式と3選式があります。

本問では、単相3線式の特徴に関する問題です。

選択肢1. 使用電圧が200Vであっても、対地電圧は100Vである。

中性線が真ん中の線で、接地されています。中性線の上下2本が負荷に掛かっている線です。

中性線と上下負荷線間の電圧は100Vで、対地電圧は100Vとなります。

2本の負荷線間の電圧は、200Vです。

選択肢2. 単相100Vと単相200Vの2種類の電圧が取り出せる。

➀で述べたように、単相100Vと単相200Vが利用できます。

選択肢3. 同一容量の負荷に供給する場合、単相2線式100Vに比べて電圧降下が小さくなるが、電力損失は大きくなる。

単相2線式の電圧降下を2vとすると、単相3線式の電圧降下はvとなって、小さくなります。

一方、単相2線式の電力損失をqとすると、単相3線式の電力損失は1/2 q となって、小さくなります。

したがって、問題文の「電力損失は大きくなる」は誤りです。

選択肢4. 3極が同時に遮断される場合を除き、中性線には過電流遮断器を設けない。

多線式電路の中性線には、過電流遮断器を設けないことと、電技解釈第35条にあります。

ただし、多線式電路の各極が同時に遮断されるときは、中性線に施設した過電流遮断器の素子の動作は許容されます。

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02

低圧屋内配線において単相3線式100/200Vは3本の配線からそれぞれ2本ずつ取り出すことで、100Vと200Vの単相電源を取得でき、一般的に電灯・コンセント系統に用いられます。

3本の線はr相、n相、t相と言い換えますと、

 

ーーーーr r-n線間電圧100V

ーーーーn nーt線間電圧100V

ーーーーt r-t線間電圧200V

※線間電圧とはコンセントや回路から取り出せる単相電源の事です。

選択肢1. 使用電圧が200Vであっても、対地電圧は100Vである。

正となります。対地電圧とは大地と電気回路の間に生ずる電圧です。これは人が電気回路に接触し感電した際に、人体を経由して大地に電気が流れます。それにより発生した電圧のことをいいます。単相3線式では3線の内の1線が接地されています。これを接地相といい、解説の冒頭で上げたn相が該当します。接地線は大地と接続されており電圧はかかっていません。r,t相は非接地相といい電圧がかかっている部分となります。接地相の対地電圧は0Vとなり、非接地相の対地電圧は100Vとなります。

選択肢2. 単相100Vと単相200Vの2種類の電圧が取り出せる。

正となります。記述のとおりです。

選択肢3. 同一容量の負荷に供給する場合、単相2線式100Vに比べて電圧降下が小さくなるが、電力損失は大きくなる。

誤となります。単相2線式と単相3線式を比較すると単相3線式のほうが電圧降下も電力損失も小さくなります。

選択肢4. 3極が同時に遮断される場合を除き、中性線には過電流遮断器を設けない。

正となります。中性線に過電流遮断機やヒューズを設けると遮断器作動やヒューズが溶断した際に、高電圧が回路に接続されている機器に印加される危険性があり、接地の機能が失われます。

まとめ

単相2線式、単相3線式、三相3線式は電気の基本となる部分なので、理解しましょう。

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