2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問17 (2 問5)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問17(2 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

中性点非接地方式の高圧配電系統において、地絡事故から系統を保護するために使用する機器として、最も不適当なものはどれか。
  • 真空遮断器
  • 零相変流器
  • 接地形計器用変圧器
  • 高圧カットアウトヒューズ

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、中性点非接地方式の高圧配電系統における地絡(接地)事故の保護に使われる機器について問うものです。

 

まず、中性点非接地方式とは、配電線の中性点を地面に接続していない方式で、一線地絡(1本だけが地面に接触する故障)では電流が小さく、系統全体の電源を止めずに運転を継続できるという利点があります。その一方で、異常を検出して警告や保護動作を行う機器が必要になります。

 

選択肢1. 真空遮断器

使用される機器です。
電流を遮断するための開閉器であり、地絡などの事故時に回路を遮断する役割を担います

高圧配電線に広く使われています。

選択肢2. 零相変流器

使用される機器です。
三相電流の合計がゼロになるはずなのに、地絡が起きると電流の不平衡が生じて、それを検出するのがZCTです。地絡検出には必須の機器です。

選択肢3. 接地形計器用変圧器

使用される機器です。
高圧側の地絡電圧を検出するために使われる計器用変圧器です。地絡電圧監視や保護リレーの入力として利用されます

選択肢4. 高圧カットアウトヒューズ

不適当な機器です。
これは主に高圧機器(変圧器など)の短絡保護や過負荷保護に使われるヒューズであり、地絡電流のような微小な電流には反応しにくいため、地絡事故の検出や系統保護には不向きです。

まとめ

高圧カットアウトヒューズは、地絡事故の検出や保護には適していません。

ほかの選択肢は、非接地系統における地絡対策として実際に使用される機器です。

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02

中性点非接地方式とは、変圧器の中性点を設置しない方式です。

中性点を持つスター結線で採用されます。(デルタ結線は、中性点を持たない為、接地が必要な回路には適しません。)

非接地方式は、地絡電流の検知ができません。

その為、地絡電流を検出し、必要に応じて警報や後続遮断器を作動させる必要があります。

選択肢1. 真空遮断器

正しい内容です。

真空遮断器(VCB)は、異常電流を遮断して電気系統や機器を保護する装置です。

なお、真空遮断器単体には事故を検出する機能がないため、地絡継電器(GR又はDGR)と組み合わせて事故回路を遮断する必要があります。

選択肢2. 零相変流器

正しい内容です。

零相変流器 (ZCT)とは、3線に流れる電流のバランスを測定し、地絡電流(漏電)を検出する機器です。

正常な状態では、3線に流れる電流を零相変流器で測定すると、値はゼロになります。

選択肢3. 接地形計器用変圧器

正しい内容です。

接地形計器用変圧器とは、地絡事故時に発生する零相電圧を検出するために使用される変圧器です。

高電圧を低圧に変換して取り扱いやすくする機器です。

選択肢4. 高圧カットアウトヒューズ

誤りです。

高圧カットアウトヒューズとは、短絡電流等の異常時にヒューズが溶断することで、電流を遮断します。

 

地絡電流の保護には使用されません。

まとめ

地絡電流と、短絡電流の保護における使用機器や役割をおさえておきましょう。

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