2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)後期
問6 (ユニットB 問2)
問題文
「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」
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問題
2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)後期 問6(ユニットB 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」
- 抵抗接地方式
-
直接接地方式
- 非接地方式
- 消弧リアクトル接地方式
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、中性点接地方式の種類と、その特性の違いについて理解しているかを問うものです。
「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」
ここでいう「健全相の電圧上昇が小さい」とは、地絡(1本の線が地面に接触する事故)が起きたときに、残りの正常な2本の電線にどれだけ高い電圧がかかるかを指しています。
電圧の上昇が小さいほど、設備にかかる負担や絶縁の必要性が低く、安全性が高まります。
中性点と地面の間に抵抗器を挟んで接地する方式です。
地絡電流をある程度流して異常を検出しやすくするとともに、電圧の不均衡もある程度抑えることができます。
直接設置方式ほどではありませんが、安全性と保護機能のバランスを取った方式です。
直接接地方式
この選択肢は正解です。
中性点を地面に直接つなぐ方式です。
地絡時には電流が大きく流れますが、その分、健全相の電圧上昇が最も小さく抑えられます。
この方式は、安全性が高く、絶縁設計上も有利なため、特に重要な電力設備で採用されることがあります。
中性点を地面とつながず、浮かせた状態で運用する方式です。
地絡が発生しても地絡電流がほとんど流れないため、運転を継続しやすいという特徴があります。
しかし、健全相の電圧が最大で1.73倍(√3倍)に上昇するため、絶縁の強化が必要になり、安全性は高くありません。
中性点と地面との間にリアクトル(コイル)を設けて接地する方式です。
地絡時のアーク(火花)を自然に消す働きがあり、高圧配電線路で多く使われています。
ただし、健全相の電圧上昇は一定程度あるため、完全に抑えられるわけではありません。
地絡事故が起きたとき、他の相にかかる電圧の上昇を最も小さく抑えられるのは、直接設置方式です。
安全性や絶縁設計の面でも、電圧の上昇を避けたい場合に用いられます。
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02
変電所の中性点接地方式の種類に関する問題です。
「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」を求める問題です。
変圧器の中性点は、系統の地絡事故で生じる過電圧の抑制と、保護継電器が確実に作動するために、設置の必要があります。
接地方式には、直接接地、抵抗接地、非接地があり、抵抗接地には、補償リアクトルや消弧リアクトルを併用した方式があります。
1線地絡時の中性点電流は、相電圧 (V/√3)/中性点接地抵抗値、となります。
この1線地絡電流が流れたときに、健全相の電圧がいつもの1.3倍を超えない範囲に、中性点インピーダンスを押さえる接地が、有効接地です。
直接接地方式は、有効接地です。
健全相の電圧が上昇する接地方式が、非有効接地です。
下表に、各接地方式の比較を示します。
直接接地
方式
抵抗接地
方式
消弧
リアクトル
接地方式
地絡事故時
の健全相の
電圧上昇
大
長距離送
電線で異常
電圧発生
小
普段と
ほとんど
変化無し
大
相電圧の
√3倍
大
相電圧の
√3倍近く
保護継電器
動作
1線地絡時
通信線電磁
誘導電圧
1線地絡時の
過渡安定度
接地装置
価格
誤
1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が大きい。
中性点を100~1000Ω抵抗体で接地し、地絡電流を抑制して通信への誘導障害を防止し、地絡継電器を動作させ方式で、抵抗接地方式が110kVや154kV系統で採用されます。
直接接地方式
正
1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい。
中性点を実用上抵抗を0の導体で接地する方式です。
送電電圧187kV以上の送電線で採用されます。
誤
1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が大きい。
変圧器がΔ-Δ結線回路で、中性点がないので、中性点接地をしない方式です。
故障や保守のため、V-V結線で運転継続が可能です。
誤
1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が大きい。
中性点を適当なインダクタンスのあるリアクトルで接地する方式で、線路で1線地絡事項が起きても、線路の静電容量とリアクトルのインダクタンスで地絡電流を抑制し、消弧が自動的に行えます。
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