2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)後期
問7 (ユニットB 問3)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)後期 問7(ユニットB 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

配電系統における高調波に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 高調波成分は、第3、第5、第7などの低次の奇数次のものが大部分を占める。
  • 機器に高調波が流入すると、過熱、振動、異常音、焼損などが生じる。
  • 高調波障害対策として、電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設する。
  • 発生源における低減対策として、発生機器に高調波フィルタを設ける。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、配電系統における高調波の性質とその対策について正しく理解しているかを問うものです。

選択肢1. 高調波成分は、第3、第5、第7などの低次の奇数次のものが大部分を占める。

正しい記述です。
一般に、高調波は3次、5次、7次といった奇数次が主に出現します。

特に3次高調波は中性線に重なりやすく、5次・7次は機器の加熱や歪みの原因になります。

選択肢2. 機器に高調波が流入すると、過熱、振動、異常音、焼損などが生じる。

正しい記述です。
高調波電流が流れると、トランスやモーターなどの機器に鉄損や銅損が増加し、結果として発熱、異常音、絶縁劣化、振動などを招きます。

選択肢3. 高調波障害対策として、電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設する。

不適切な記述です。
コンデンサには通常、直列にリアクトルを接続します。
並列に接続すると、高調波電流がリアクトルに流れず、むしろ共振が起きやすくなる危険性があります。
正しい対策は、直列接続で共振周波数を避けるように設計することです。

この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です

選択肢4. 発生源における低減対策として、発生機器に高調波フィルタを設ける。

正しい記述です。
高調波は発生源側で抑えるのが効果的です。
インバータやコンバータの出力側に高調波フィルタ(アクティブフィルタやパッシブフィルタ)を取り付けて、系統側への高調波の流出を防ぐことが一般的です。

まとめ

「高調波障害対策として、電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設する」という記述は誤りです。
正しくは「直列に接続する」ことで、共振防止と高調波の吸収が可能になります。
よって、この選択肢が不適当です。

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02

配電系統における高調波に関する問題です。

 

電力系統で、電圧や電流の波形は正弦波が標準ですが、整流器などの電力変換器などの非線形機器に電力を供給したときには、機器からの高調波電流が発生し、電力系統の電圧降下を引き起こし、電圧・電流が歪波形となり、進相コンデンサの異音や焼損、電動機の異音や加熱などを生じさせます。

選択肢1. 高調波成分は、第3、第5、第7などの低次の奇数次のものが大部分を占める。

問題文の内容通りです

 

高調成分の主なものは、3,5,7,11次の奇数調波です。

偶数調波は、2次が比較的高いレベルです。

高調波電圧含有率は、平均的に、5,3,7,2次の順に、大きい傾向があります。

選択肢2. 機器に高調波が流入すると、過熱、振動、異常音、焼損などが生じる。

問題文の内容通りです

 

機器への高調波の障害には、次のようなもの(例)があります。

・電力用コンデンサや分岐リアクトルの加熱・異音。

・回転機・変圧器の加熱損失による容量低減。

・変圧器などの鉄損増加。

・蛍光灯安定器、コンデンサの加熱・焼損。

選択肢3. 高調波障害対策として、電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設する。

高調波障害対策として、電力用コンデンサに直列にリアクトルを施設する

 

高調波の障害対策には、次のようなものがあります。

1) インピーダンス変更

インピーダンスが容量性の場合、高調波が異常に拡大されるため、電力用コンデンサにリアクトルを直列接続し、インピーダンスを誘導性とし、高調波改善とします。

選択肢4. 発生源における低減対策として、発生機器に高調波フィルタを設ける。

問題文の内容通りです

 

2) 高調波発生量低減

フィルタを設け高調波電流を吸収し、逆極性電流発生により高調波発生量を低減します。

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