2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)後期
問12 (ユニットC 問2)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)後期 問12(ユニットC 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

変電所の変圧器の騒音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 変圧器のコイルは、通電時に働く電磁力により振動し、騒音源となる。
  • 鉄心の断面積を小さくし、磁束密度を高くすることは、騒音対策に有効である。
  • 強制冷却方式の変圧器では、冷却ファンや送油ポンプなどの補機類も騒音源となる。
  • 変圧器と基礎の間に防振ゴムを設置することは、騒音対策に有効である。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、変圧器から発生する騒音の原因と、その対策について正しく理解しているかを問うものです。

選択肢1. 変圧器のコイルは、通電時に働く電磁力により振動し、騒音源となる。

これは適切な記述です。
変圧器のコイルには、交流電流により周期的な電磁力が作用し、それによって微細な振動が発生します。この振動が騒音の一因になります。

選択肢2. 鉄心の断面積を小さくし、磁束密度を高くすることは、騒音対策に有効である。

これは不適切な記述です。
鉄心の磁束密度を高くすると、鉄心が励磁される力が強くなり、磁歪(じわい)による振動が増えて騒音も大きくなります
逆に、磁束密度を下げて鉄心の断面積を大きくすることで、騒音は抑えられます。
したがって、この記述は騒音対策として逆効果です。

この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

選択肢3. 強制冷却方式の変圧器では、冷却ファンや送油ポンプなどの補機類も騒音源となる。

これは適切な記述です。
冷却装置に使われるファンやポンプも動作時に音を発するため、騒音源の一つになります。

選択肢4. 変圧器と基礎の間に防振ゴムを設置することは、騒音対策に有効である。

これは適切な記述です。
変圧器の振動が基礎構造に伝わって増幅されるのを防ぐために、防振材(防振ゴムなど)を使うことは一般的な対策です。

まとめ

磁束密度を高くすることは、変圧器の騒音を大きくする原因になります。
したがって、「鉄心の断面積を小さくし、磁束密度を高くすることは、騒音対策に有効である」という記述は不適当です。

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02

変電所の変圧器の騒音に関する問題です。

選択肢1. 変圧器のコイルは、通電時に働く電磁力により振動し、騒音源となる。

問題文通りの内容です

 

変圧器の騒音の多くは、鉄心の磁気歪現象による鉄心の振動によって起こります。

コイルは1次側、2次側にそれぞれ鉄心周りに巻かれています。

選択肢2. 鉄心の断面積を小さくし、磁束密度を高くすることは、騒音対策に有効である。

鉄心の断面積を小さくし、磁束密度を高くすることは、騒音対策に悪影響を及ぼす

 

磁束を一定とするとき、鉄心の断面積の大きさと磁束密度は、反比例の関係にあります。

断面積を小さくすると磁束密度は高くなり、磁気ひずみも大きくなるため、騒音が大きくなります。

変圧器の騒音対策として、鉄心の磁気密度を小さくすれば、磁気ひずみが小さくなります。

選択肢3. 強制冷却方式の変圧器では、冷却ファンや送油ポンプなどの補機類も騒音源となる。

問題文通りの内容です

 

変圧器の冷却方式で、強制冷却は以下の方式例があります。

1) 風冷式

送風機で強制循環による通風

2) 強制循環式-送油自冷式

絶縁油を放熱器にポンプで強制循環させ、空気の自然対流と放射での放熱

3) 強制循環式-送油風冷式

絶縁油を冷却管にポンプで強制循環させ、冷却管を冷却水で冷却

 

強制冷却では、冷却ファンや冷却ポンプを使用するため、振動・騒音が発生します。

選択肢4. 変圧器と基礎の間に防振ゴムを設置することは、騒音対策に有効である。

問題文通りの内容です

 

変圧器の騒音対策として、次の方法があります。

変圧器全体を防振支持とするために、変圧器タンクと基礎の間に、防振ゴムを入れます

・タンクと鉄心の間に防振ゴムやスプリングを使い、タンクへの振動の伝播を防ぎます。

・変圧器を二重タンク構造とし、本体と外側タンク間に吸音材を充填します。

・変圧器周囲に防音壁を設けます。

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