大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問13 (世界史B(第2問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問13(世界史B(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

ある出来事の当事者の発言や観察者による記録は、歴史を考える際の重要な資料となる。こうした資料について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

冷戦期、a ソ連は( ウ )にミサイル基地を建設しようとした。アメリカ合衆国は基地建設に反発して、( ウ )を海上封鎖し、米ソ間で一触即発の危機が発生した。米ソ首脳による交渉の結果、ソ連はミサイルの撤去に同意し、衝突が回避された。次の資料は、その出来事の翌年に、当時のアメリカ合衆国大統領が行った演説である。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)

資料
我々はジュネーヴで、軍拡競争の緊張を緩和し、偶発的な戦争の危険を軽減する軍備管理の第一段階について、交渉を進めてきました。これらの交渉のなかで、終わりは見えながらも新たな始まりを大いに必要とする一つの重要な分野が、核実験を非合法化する条約の交渉でした。当該条約は、最も危険な地域の一つで、軍拡競争の悪循環を抑えることになるでしょう。
これに関して、私は二つの重要な決定について発表いたします。第一に、フルシチョフ第一書記とマクミラン首相並びに私は、包括的な核実験禁止条約に関する早期の妥結を目指し、間もなくモスクワでハイレベルの議論を始めることに合意しました。第二に、この問題についての我々の誠意と厳粛な信念を明らかにするために、アメリカ合衆国は、他国が行わない限り、大気圏内における核実験を自ら行わないことを宣言いたします。

この演説を行った大統領は、交渉の過程で妥協を強いられつつも、演説中で述べられている首脳との間で条約を締結した。

前の文章を参考にしつつ、この演説中で述べられている交渉相手の首相の国あ・いと、締結した条約の内容X・Yとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。

交渉相手の首相の国
あ フランス
い イギリス

締結した条約の内容
X 核実験の全面的な禁止
Y 核実験の部分的な禁止
  • あ ― X
  • あ ― Y
  • い ― X
  • い ― Y

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、キューバ危機後の核軍縮をめぐる外交交渉についてのものです。

演説に出てくるアメリカ大統領がどの国と交渉し、どのような条約を結んだかを読み取り、正しい組合せを選びます。

 

 

 

【問題の背景】

・キューバ危機(1962年)の翌年、アメリカのケネディ大統領は核実験を制限する条約の締結を目指し、各国と交渉しました。

・演説には、「フルシチョフ第一書記(ソ連)」「マクミラン首相(イギリス)」との交渉に言及しています。

・演説の内容は「大気圏内での核実験を他国がやらない限り行わない」と述べており、これは大気圏内など一部の核実験を禁止する内容です。

 

 

 

【各選択肢の確認】

・交渉相手の国の確認

マクミラン首相はイギリスの政治家で、1957〜1963年までイギリス首相を務めました。

 

→「交渉相手の国」は、「い:イギリス」が正しいです。

 

 

・締結された条約の内容の確認

1963年にアメリカ・ソ連・イギリスの三国間で結ばれたのは、部分的核実験禁止条約(PTBT)です。

この条約は、大気圏・宇宙空間・水中での核実験を禁止し、地下実験は許容されました。

「全面的な禁止」を目指す条約(CTBT)は、その後の話です。

 

→ 該当するのは、「Y:核実験の部分的な禁止」です。

選択肢1. あ ― X

誤りです。

選択肢2. あ ― Y

誤りです。

選択肢3. い ― X

誤りです。

選択肢4. い ― Y

正しいです。

まとめ

この演説では、イギリスのマクミラン首相との間で交渉し、大気圏などでの核実験を禁止する「部分的核実験禁止条約」の締結に向けた動きが語られています。

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