大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問29 (世界史B(第5問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問29(世界史B(第5問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の墓や廟(びょう)について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

800年にローマ皇帝として戴冠した( ア )は、その後の諸王朝で王権強化のシンボルとして利用されてきた。特にカペー朝は、( ア )との血統上の連続性を強めようとした。イングランド王ジョンと戦って大陸所領の大半を奪った( イ )は、カロリング家の血筋を引く母から生まれ、自身もカロリング家の末裔(まつえい)と結婚し、ルイ8世をもうけた。ルイ8世の息子ルイ9世の治世下で、王家の墓所であったサン=ドニ大修道院付属聖堂内の墓棺群が再配置された。
次の図のように、南にはメロヴィング家とカロリング家の王・王妃の墓棺を2基1組としたものが4組並べられ、北にはカペー家の王・王妃の墓棺が同様の形で8基並べられた。この間にある2つの祭壇に挟まれた場所には、a カロリング・カペー両家の血筋を引く( イ )からルイ9世までの3代の国王たちの墓碑が配置されることとなり、( ア )の血筋への回帰が参拝者に一目で分かるようになっている。

前の文章中の空欄(ア)の人物の事績について述べた文として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • フン人を撃退した。
  • イングランド王国を征服した。
  • アルクインらを集め、学芸を奨励した。
  • フランク国王として初めて、アタナシウス派キリスト教に改宗した。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、王権の正統性を示すために行われた墓所の再配置と、それに関わる人物の業績を問うものです。

 

 

 

空欄(ア)に入るのは、カール大帝(シャルルマーニュ)です。

彼はフランク王国の王で、800年にローマ皇帝として戴冠されました。

のちのヨーロッパの王たちは、彼の血筋や業績を引き継ぐことを、自らの正統性の証としました。

特にカペー朝の王たちは、カール大帝の血筋とのつながりを強調することで、自らの権威を高めようとしました。

選択肢1. フン人を撃退した。

アエティウスがカタラウヌムの戦いでアッティラを撃退した話で、カール大帝とは無関係です。

 

選択肢2. イングランド王国を征服した。

ノルマンディー公ウィリアムによる1066年の征服です。

カール大帝ではありません。

選択肢3. アルクインらを集め、学芸を奨励した。

これは正しいです。
カール大帝はカロリング・ルネサンスと呼ばれる文化振興を行い、イングランド出身の学者アルクインらを宮廷に招いて学問や宗教教育を奨励しました。

選択肢4. フランク国王として初めて、アタナシウス派キリスト教に改宗した。

これはクローヴィス1世の事績です。

まとめ

カール大帝は800年にローマ皇帝として戴冠され、後の王朝にとって模範とされました。

彼はまた、アルクインらを招いて学芸を奨励し、カロリング・ルネサンスの中心人物となったことで知られます。

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