大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問30 (世界史B(第5問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問30(世界史B(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の墓や廟(びょう)について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

800年にローマ皇帝として戴冠した( ア )は、その後の諸王朝で王権強化のシンボルとして利用されてきた。特にカペー朝は、( ア )との血統上の連続性を強めようとした。イングランド王ジョンと戦って大陸所領の大半を奪った( イ )は、カロリング家の血筋を引く母から生まれ、自身もカロリング家の末裔(まつえい)と結婚し、ルイ8世をもうけた。ルイ8世の息子ルイ9世の治世下で、王家の墓所であったサン=ドニ大修道院付属聖堂内の墓棺群が再配置された。
次の図のように、南にはメロヴィング家とカロリング家の王・王妃の墓棺を2基1組としたものが4組並べられ、北にはカペー家の王・王妃の墓棺が同様の形で8基並べられた。この間にある2つの祭壇に挟まれた場所には、a カロリング・カペー両家の血筋を引く( イ )からルイ9世までの3代の国王たちの墓碑が配置されることとなり、( ア )の血筋への回帰が参拝者に一目で分かるようになっている。

図中の空欄(イ)と(ウ)は、該当する人物の墓碑または墓棺の位置を示している。前の文章を参照して、空欄(イ)と(ウ)に入れる人物の名の組合せとして正しいものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • イ ― フィリップ2世  ウ ― ロロ
  • イ ― フィリップ2世  ウ ― ピピン(小ピピン)
  • イ ― ユーグ=カペー  ウ ― ロロ
  • イ ― ユーグ=カペー  ウ ― ピピン(小ピピン)

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、フランス王家の墓の配置図を手がかりに、歴史上の人物と王家の系譜を対応させる内容です。

 

 

 

【人物(ア)】

文章では、800年にローマ皇帝として戴冠した人物(ア)がカール大帝(シャルルマーニュ)であり、彼の血統に連なることが王権の正統性を支える象徴とされていたとあります。

 

 

【空欄(イ)】

カロリング家とカペー家の血を引く人物として、カペー朝の系譜の中で特に重視されていたフィリップ2世が入ります。

彼は、カロリング家の血筋を持つ母の子であり、自身もカロリング家の末裔と結婚しています。

さらに、彼の息子がルイ8世、そして孫がルイ9世です。

これら3代が中心の祭壇の間に並べられており、フィリップ2世がその最初の一人に該当します。

 

 

【空欄(ウ)】

南側(図の左側)にあり、「メロヴィング家とカロリング家の墓棺群」に属する区画にあります。

このことから、ウにはカロリング家の始祖として知られるピピン(小ピピン)が入ります。

 

 

一方、ロロはノルマンディー公国の祖であり、王家の血筋には含まれません。

よって、彼が王家の墓所であるサン=ドニ修道院に葬られる可能性は低いです。

 

 

よって、正しい組合せは、

イ ― フィリップ2世 ウ ― ピピン(小ピピン) となります。

選択肢1. イ ― フィリップ2世  ウ ― ロロ

誤りです。

選択肢2. イ ― フィリップ2世  ウ ― ピピン(小ピピン)

正しいです。

選択肢3. イ ― ユーグ=カペー  ウ ― ロロ

誤りです。

選択肢4. イ ― ユーグ=カペー  ウ ― ピピン(小ピピン)

誤りです。

まとめ

図の中央の祭壇に挟まれた墓碑には、カロリング家とカペー家の血を引くフィリップ2世から始まる3代の国王が配置され、南側にはカロリング家の始祖ピピン(小ピピン)の墓棺が置かれました。

これは王権の正統性を象徴する配置です。

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