大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問31 (世界史B(第5問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問31(世界史B(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の墓や廟(びょう)について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

800年にローマ皇帝として戴冠した( ア )は、その後の諸王朝で王権強化のシンボルとして利用されてきた。特にカペー朝は、( ア )との血統上の連続性を強めようとした。イングランド王ジョンと戦って大陸所領の大半を奪った( イ )は、カロリング家の血筋を引く母から生まれ、自身もカロリング家の末裔(まつえい)と結婚し、ルイ8世をもうけた。ルイ8世の息子ルイ9世の治世下で、王家の墓所であったサン=ドニ大修道院付属聖堂内の墓棺群が再配置された。
次の図のように、南にはメロヴィング家とカロリング家の王・王妃の墓棺を2基1組としたものが4組並べられ、北にはカペー家の王・王妃の墓棺が同様の形で8基並べられた。この間にある2つの祭壇に挟まれた場所には、a カロリング・カペー両家の血筋を引く( イ )からルイ9世までの3代の国王たちの墓碑が配置されることとなり、( ア )の血筋への回帰が参拝者に一目で分かるようになっている。

下線部aの国王たちの治世に起こった出来事について述べた文として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • アナーニ事件が起こった。
  • ジャックリーの乱が起こった。
  • アルビジョワ十字軍が組織された。
  • トリエント公会議が開催された。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、フランス王家の歴史と関連する出来事を、墓の配置や王の血統を手がかりにして考えるものです。

 

 

 

図と文章によると、中央の祭壇の間に並べられた墓碑には、(イ)フィリップ2世・ルイ8世・ルイ9世の3代の王が並んでいます。
この3人はカロリング家とカペー家の血筋を引き、フランス王権の強化に関わった重要な存在です。

 

それぞれの治世は以下のとおりです。

フィリップ2世:在位 1180年〜1223年

ルイ8世:在位 1223年〜1226年

ルイ9世:在位 1226年〜1270年

この3代の時代に起こった重要な出来事として注目されるのが、アルビジョワ十字軍です。

選択肢1. アナーニ事件が起こった。

1303年に起こった、ローマ教皇ボニファティウス8世とフランス王フィリップ4世の対立事件です。

時代が後です。

選択肢2. ジャックリーの乱が起こった。

1358年、百年戦争中の農民反乱で、これも後の時代です。

選択肢3. アルビジョワ十字軍が組織された。

1209年に開始された十字軍で、異端とされた南フランスのカタリ派を討伐するために行われたものです。
フィリップ2世やルイ8世の時代に重なります。

選択肢4. トリエント公会議が開催された。

1545年〜1563年、宗教改革に対するカトリック側の対応として開かれた会議で、時代が大きく後です。

まとめ

中央祭壇の間に並べられたフィリップ2世・ルイ8世・ルイ9世の治世では、アルビジョワ十字軍が行われ、王権と教会の関係や地方支配の強化が進みました。

王の血統と歴史的出来事が重なり、墓所の配置にもその意図が表れています。

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